Simple and Clean

このブログは、いわゆるドメな日本人がMBAトップスクールに入るためにはどうすべきか、 という観点にフォーカスしており、私の経験/集めた情報をまとめたものです

MBA受験4(その他Tips)

 

1. ビジットのタイミング

MBA 受験に時間とお金を惜しまないのであれば、2 回ビジットすることをお勧めいたします。1回目は、1stラウンド出願を見据え理想は在校生のテスト前の3~4 月のタイミング(卒業直前の学校のことを知り尽くした2年生がおり望ましいタイミング)、2 回目は1st アプライ後/2nd ラウンド前の10~11 月のタイミングが望ましいと思料します。

 

この考え方の前提としては、前述のMBA受験3(受験校選定)で記載した通り、1stラウンドで中堅校に出願し、2ndラウンドでドリームスクールに出願するというものです。

 

1 回目のビジットについてですが、1stラウンド出願前に、行きたい学校をどこにするか決めるために現地を見るというのは合理的な考えですし、いざ見てみるとイメージとかい離していることもありますので、学校を直接見ておくことは重要かと思います。またトップスクール/中堅校はまだしも、滑り止めをどこにするか決めるに当たっては、ブランドや知名度よりも、ロケーションや実際の住みやすさ等が重要になると考えられますので、そういった点を確認しておくことは大切だと考えます。なお1 回目のビジットの際は特にエッセイ等をなにも準備していない段階でしょうから、よほど英語力に自信がある場合を除き、アドミッションとのコンタクトはしないほうが良いかと存じます。

 

なお1回目のビジットはどこの学校に行きたいかを決める目的であるため、なるべく数多くの学校をまわることが望ましいと思います。そのため、時間的制約がある中でより多くの学校をまわるという観点から、おすすめとしてはアメリカの東海岸の学校群へのビジットをおすすめします。具体的にはフィラデルフィア(Wharton)からNY(Columbia、NYU)、ニューヘイブン(Yale)、ボストン(HBS、MIT)というイメージです。特にNYとボストンは一日で2校もまわれるので、かなり効率的にビジットすることができます。

 

2 回目のビジットは、スコアも最低限度あり、エッセイの骨子をある程度書き上げている状況で実施するのが理想的であると思います。この時にはすでに受験校は決まっていることから、どこの学校にするかという観点ではなく、志望動機の強化(エッセイ/インタビュー対策)やアドミッションへの直接のアピールの場として使うことが望ましいと存じます。前述の通り、特にこのアドミッションへの直接のアピールは諸刃ではある一方、非常に有効だと思われますので、万全に対策を行いアポとりすることをおすすめします(私は、合格した学校については、事前にアポを取り、アドミッションとの1:1 セッションを実施しました)。このアドミッションへのアポは受験生からでは取れない場合も多く、卒業生や在校生にお願いして特別にセットしてもらう必要があることもあります。

 

なお2回目のビジットタイミングである10~11月は、学校に入学したばかりの新1年生とこれから選択科目(エレクティブ)を受講する2年生という時期になるため、授業内容については細かい情報を聞けない恐れがあることにご留意ください。

 

また6月から9月上旬は夏休みであり避けることが望ましいと思います。また土日は授業がないところも多く、留意が必要です。

 

ビジット前に実施すべきことは、主に在校生とのアポとり、クラスビジット/インフォセッション/その他イベントの予約、在校生及びアドミッションへの質問の洗い出し、ロジ調整(飛行機/ホテル等)で、思いのほか調整が面倒なので早めから準備を進めておくことが望ましいかと存じます(特に在校生とのアポとり)。また時差ボケでかなり辛くなることもあるので、到着は日曜日にするなど、時差に対応できるようなスケジューリングにするほうがベターです。また特に田舎の学校にビジットする場合、飛行機がプロペラ機となり、天候次第ですぐ欠航になったりするので要注意です(私も予定していたアメリカの国内便が欠航となり次の学校のクラスビジットができなくなりました)。

 

 

2. 推薦人

推薦状は基本的に2 つ必要となり、少なくとも1 人の推薦人については自身の現時点における直属の上司(Direct supervisor)とするよう指示する学校も多いです。社費の方は、社費という性質上、自社でMBA を生かして将来的にグローバルリーダーになる人材であるという推薦をしてもらうことからも、基本的には2 通とも社内の上席にお願いすることが望ましいと考えます。一般的には課長か部長にお願いするイメージだと思います。またMBA ホルダーや受験先の卒業生が上席である場合は、そういった方々にお願いすることも一案であると思います(他のMBA生と比較しても優秀である旨の推薦ができるため)。各学校の推薦状のフォームには、推薦人がMBA ホルダーかどうかやどの学校出身かを記載する場所があります。

 

推薦状は受験生が自身で書くことがほとんどだと思います。推薦状を自分で書くのは負担ではありますが、自分で内容を決められることから、エッセイでは触れていない自身のアピールポイントを推薦状で補っていくのが望ましいと思います。私はAnalytical やQuantitative といったM&A アドバイザーとしては当然の数字/分析系のスキルについては推薦状でアピールしました(エッセイに書いてもありきたりでつまらないので)。

 

進め方としては、まずエッセイでアピールしたいことを固め、その後推薦状でアピールしたい点について具体的なエピソードも含めて固め、その段階で当該素案を推薦人の方とご相談するのが望ましいと思料します。このあたりはカウンセラーの方ともご相談下さい。

 

なお推薦人の方に対してアドミッションからコンタクトされる可能性があるという記載がどの学校にもありますが、私の知る限り、そのような方は見たことがないので、英語が不得意な方を推薦人として選んでも問題はないと思われます。

 

 

3. フルブライト奨学金

MBA向けの数ある奨学金の中でも、フルブライト奨学金はとても有名であると思います。金銭面もありますが、世界各国のフルブライト奨学生とネットワーキングできることは非常に魅力的です。しかし一方で、かなり早い段階からフルブライト向けのエッセイ等(MBA出願用のエッセイとは毛色が違うエッセイ)に労力を割く必要があることから、フルブライト奨学生であることは学校に対してアピーリングではあるものの、スコアメイクに自信がない方はやめておいたほうが無難かもしれません(応募したからと言って必ずフルブライトに受かるわけではない)。

 

また奨学金は基本的には私費向けの制度と思われるかもしれませんが(私もそう思っていた)、近年は社費の受験生が当該奨学金を取得するケースも数多く見受けられます。

 

 

4. GPA

結論から申し上げると、過去の合格された方々を鑑みるに、そこまでGPA については気にしなくてもよいと思います(もちろん良いことに越したことはないですが)。理由としては、そもそも日本で公式にGPA を計算して成績表に記載している大学はなく学校側もそれを理解していること、また米国と日本とでは大学の成績の位置付けも異なりApple to apple での比較が困難なこと、等があげられます。

 

社費生で過去にGPA が3 を下回っていても、トップスクールに合格されている方は
数多くおりますし、GPA のビハインドは社費生として選ばれていることとGMAT スコアで十分にカバーできるものだと個人的には推察しております(2.5 を下回っている人は見たことがないのでその水準については不明)。ただカウンセラー情報では、HaasUCLA についてはGPA へのリクワイアメントがあるようだ、と聞いたことがあります(なお東大で2.9のGPA でもHaas に合格されている友人あり)。

 

 

5. 自習室

テスト対策やエッセイ作成等、長時間集中して作業する場合には、自宅ではなく自習室を利用することをおすすめします。一般論ですが、自宅だと受験準備以外の誘惑がたくさんあるので、限られた時間を効率的に使うために、勉強する環境を整えることはかなり重要になってきます。具体的には、アカデミーヒルズライブラリー(六本木ヒルズ、月1 万円でいつでも通い放題)や勉強カフェ(都内に複数あり)がおすすめで、家から近いところが望ましいと思います。この自習室に週末は基本的にひきこもるというライフスタイルが受験においては望ましいと思料します。

 

 

6. 参考となるWebサイト

受験準備を進めていく中で参考となるWeb サイトは以下の通りです。

 

GMAT の過去問に関する回答/解説が掲載されており重宝した。また学校ごとに掲示板が作成されておりそこからインタビュー通知/合格者が出たタイミングがわかるのもよい。学校によってはAdmission がアプリカントとチャットしたログも掲載されており、情報収集にはもっとも適したWeb サイト。

 

  • 各カウンセラー/予備校のWeb サイト

有名なカウンセラーのHPには彼らのアドバイスや学校ごとのデータ等が記載されており一度目を通しておくことを推奨する。特にAdam Markus とVinceRicci のHP がおすすめ。

Adam Markus - Graduate Admissions Guru

Vince Admissions

 

近年の日本人合格者の体験記。

 

 

7. 業務との両立

スコアメイクに四苦八苦しながら業務も通常通り対応するのは精神/肉体的にも想像以上にタフな生活になると思います。上司や周りがMBA 受験というものがどれほど大変なものか理解している場合はまだよいですが、そうでない場合は非常に辛い思いをする恐れがありますので、どれだけ大変なものかちゃんと共有することがまずは大事になってくるかと思います。


また上司と対立すると推薦状にも影響が出る恐れもありますし、労働環境も悪化する恐れがあるので、良好の関係を築きながらエクスポージャーを軽くしていくべく、日々のコミュニケーションをとっていくことが大切だと考えます(これもある意味、プロフェッショナルとして大切な「コミュニケーションスキル」の一つ)。具体的には定期的にランチ等で自身の現状について共有していくことも一案だと思います。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー