Simple and Clean

このブログは、いわゆるドメな日本人がMBAトップスクールに入るためにはどうすべきか、 という観点にフォーカスしており、私の経験/集めた情報をまとめたものです

London Business School(LBS)を受験するにあたって

2017年も6月に入り、LBSでの1年目が終わりましたので、受験生の方からよくご質問される内容や入学前のイメージと実際に入ってからのギャップ、個人的にLBSで良かったなと思うところ等について記載したいと思います。この内容が皆様の受験の一助となれば幸いです。ただあくまでもこれは私個人の意見ですのでご留意頂ければ幸いです。

 

 A. 結局のところ、LBSは他の学校と何が違うのか?

志望校の選定やエッセイ/インタビュー対策をする上で、数ある学校からなぜその学校が自分にとってベストなのか、という点を検討する必要があろうかと思います。これにあたって、本音ベースではランキングに加え、各校の強み(ファイナンス、ジェネラルマネジメント、アントレ、マーケティング等)や授業/カリキュラムの忙しさ/スタイル、ロケーション(都会か田舎か、気候、旅行先等)、ご家族の意向、コスト(物価、為替等)が主な検討事項かと思います。

一方で、エッセイ作成にあたってはもっと踏み込んで自身のキャリアゴール達成のためにこの学校がベストだと主張できるように、各校の差別化要因を理解する必要があり、そのためにより各校の詳細や生きた情報が必要になるかと存じます。ここでは、こうした情報について私の私見をお伝えできればと思います。

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重
  2. ヨーロッパのトップ層が同級生
  3. MBA以外の生徒との交流
  4. 4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学
  5. ダイバーシティ
  6. ロンドンという立地

 

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重

入学してから改めて実感したことですが、LBSは非常に自由な環境だと思います。

 

  • カリキュラムのフレキシビリティの高さ

MBAは最短15か月(大多数は21か月)で卒業できるカリキュラムとなっているため、やろうと思えば、年間3学期ある中で、授業を他の学期に詰め込むことで、1学期(約3か月間)まるまる授業をいれないということも可能です(15か月卒業も可能なので、やろうと思えば2学期(6か月間)まるまるフリーにすることも可能)。これは一部の選択科目(約50個の選択科目)においてはたった一週間で単位をとることができるためです。来年から一部改訂されるようですが、現状、1年目は必修科目13個と0~5個の選択科目、2年目は選択科目のみとなっており、選択科目は二年間で合計10~12科目取る必要があります。

 

そのため、授業以外のことにも注力したい生徒にとっては最高の環境だと思います。ここまでフレキシブルなカリキュラムの学校はそんなにないのではないかと推察します。このフレキシビリティを活かして、先輩や同級生を見る限りでは、夏休み(6月前半から9月前半まで)以外のシーズンに長期インターンをロンドン/海外で実施したり、起業や同級生の起業家の下でバイトしたり、LBSのコンサルティングプロジェクトに参加したり、プログラミングを学んだり、LBSの教授と論文を書いたり、週30~40時間の準備が必要となる大変な授業(Value investing等)を取ったり、子育て/家族サービスをしたり、旅行に行きまくったりと様々です。

 

MBAに来ると、おそらく当初想定していなかったことにも興味を持ち、その分野を追求したくなる欲求に駆られることもあろうかと思います。その時に、このように学校のカリキュラムがフレキシブルだと、その都度アジャストできるので、留学してから興味をもったところでも集中的に深掘りでき、MBAプログラムとしては魅力的であると感じております。

 

また個人的には夏休み以外の時期にインターンできるのは、競争相手も少ないですし、より多くの企業/ビジネスを生で見ることができるという意味で、自身のキャリアを考えるにあたり、非常に有用だと思っています。特に私費の人にとってはインターンの数が増えることで、より稼げるのも魅力的かと思います。日本人の方でも去年も夏はロンドン、秋は日本でインターンした方もいらっしゃいます。今年も私の知る限り、日本人で二人は夏休み明けにアメリカでインターンする予定です。

 

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  • 必修科目における自主性

特にケーススタディ中心の学校では、よほど英語が得意か授業の既存知識(ファイナンスや会計等)がない限り、日々の授業の準備が非常に大変で、特に忙しい1年目は睡眠時間を削らないと授業についていくのが厳しいという話を耳にされた方もいるかと思います。

 

これは私の個人的な感覚ですが、LBSの1年目(必修科目)はたしかに忙しいときもあるのですが、授業以外のことに手が回らないほど忙しいかといわれるとそこまでではないかと思います。LBSの必修科目は下記の通り13科目あるのですが、その中でも特に重たいのはCorporate Finance(グループワークが数多いのと大変な課題もある)で、自身がファイナンスバックグラウンドであればより負担感は減る気がします。ただほとんどがグループ課題なので、スタディグループの他のメンバーの協力度合によってかなり人によってボラがあるのも事実です。実際、私のグループの一人はグループワークからはかなり逃げていたりしました(うちの他のメンバーは基本的に超真面目タイプだったので特に影響はなく、また真面目さ故に一学期が終わってから自主的に皆がそれぞれにポジティブ/ネガティブフィードバックまでしました、これはマッキンゼー出身のメンバーがおり、そこの文化だそうです)。

 

また必修授業におけるコールドコールも(担当教授にもよるのですが)、正直想定していた以上に少ないです(少なくともMBA2018は)。教授も強制するというよりも、学生が自主的に手を挙げる環境を作ろうとしている気がします。そのため、就活に注力しているが故に事前に読んでくるべきケースを読まずに授業をやり過ごしている同級生も一部いました。

 

実際、授業も学期にもよりますが、週3~4程度です。そのため、数多くの人が週末にLCCを使ってヨーロッパ旅行に出かけています(これのせいでグループワークが回らないこともたまにあり)。

 

また必修科目は違う曜日で開催されている他のクラス(ストリーム)にスワップすることも可能なため、何かイベントやどうしても外せない平日の用事があったとしても特に問題ないです。これは1年目で就活やクラブ活動、コンペティションコンサルティングやPEコンペ等)に力を注ぎたい人にとっては非常に良いシステムだと思います。

 

上述した内容は、授業が簡単/学びが少ないという話ではなく、どこまで深く学ぶか/追及するかは生徒の自主性を重んじているように思えます。どの授業も教授自らがレクチャーノート以外に参考となるサイドリーディングを数多くアップロードしておりますし、科目によっては補講も開催されていたり、いつでも教授やティーチングアシスタントと質問/コミュニケートできる環境は整っています。グループワーク中心なところも、結局さぼりたいと思えば他の人に押し付けることも可能ではあるというだけで、どこまで時間を割くかは自分次第で、義務感ややらされている感は少ないというイメージです。要はLBSは「大人な」学校なのだと思います。

 

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  1. ヨーロッパのトップ層が同級生

入学して驚いたことは、LBSには思った以上に戦略コンサルティングファーム出身の同級生が多かったことです。マッキンゼーやベイン、BCG等、ヨーロッパの各国で働いていたコンサルタントたちが各スタディグループに一人はいるイメージです。

 

これは上記の戦略コンサルティングファームでは、ヨーロッパやアメリカ、アジアの各オフィスで若手社員へのMBA留学をサポートしている(日本の社費と違い、留学期間中の給料は出なかったり、家賃補助がなかったりと様々)ため、このようにMBAに占める生徒数が多くなっているのだと思います。MBAサポートプログラムのないプロフェッショナルファームである投資銀行(いわゆるセルサイド)出身者は戦略コンサルに比べるとそこまで多くない印象です。

 

もちろん人にもよるのですが、特にヨーロッパの先進国ではない国籍でこうしたファームで働いている人間(ギリシャポルトガル等)は、その国での超エリートなのか(アメリカやイギリス、日本といった先進国より入社するのが大変だからか)、20代前半/中盤でもあるにもかかわらず(飛び級しているらしいが)、非常に知識があり、分析能力も高く、知的好奇心が旺盛で、正直すごいなと思わされることが数多くありました。

 

実際ウォートンで開かれた今年のMBA Buyout Case Competitionで優勝したのがLBSのチームで、そこにもヨーロッパのコンサル出身者が複数チームに在籍しています(下記の写真をご参照)。

 

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これはアメリカ人の同級生と話した上での推測ではあるのですが、将来的にアメリカで働きたいアメリカのトップ層はやはりハーバード、スタンフォード、ウォートンの3から自分のカラーにあったところに行っており、将来はアメリカ以外で働きたいトップ層はLBSに来ているということではないかと思います。

 

このようなその国(アメリカ以外のこれから伸びていくであろう国々)を将来背負って立つような人材と一緒にグループワーク/プロジェクトをできる機会を持てることができたため、LBSに来て非常に良かったと実感しています。

 

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  1. MBA以外の生徒との交流

LBSには下記の通り、MBA以外にもファイナンス専門のMiFやシニア向けのEMBAやSloan等があります。彼らの一部はパートタイムでの参加であるため、ロンドンで仕事をしながら授業に通っています。恥ずかしながらこれは入学してから初めて知ったのですが、選択科目においてはMBAの生徒だけではなく、これらのプログラムの生徒と一緒に授業を受けます。そのため、ロンドンで働いている実務家(パートタイムの方々)と一緒に授業で議論したり、グループワークすることができます。おそらくこれはアメリカのトップスクールの半分程度しかMBA生徒がいないために実現できるものだと思います。

 

MBAでの授業の価値は、やはり教授の経験や授業内容に加え、日々コミュニケートする同級生の知見を使って、アカデミックと実務の世界の両方を学ぶ(アカデミックな知識が実務にどう生かされているのか、実務をイメージして学べるか)ことだと思っているので、個人的にはこれはかなりポジティブでした。よくMBAは知識を学ぶ場所ではないと揶揄した意見もありますが、正直なところ、私はM&Aの業務をしておりましたが、こういった同級生や教授を通じて、仕事に役立つであろうファイナンスやストラテジーに関する知識も十分以上に学べている気がします。

 

また私はファイナンスバックグラウンドなためなのか、トレックで知り合ったMiFの学生と、各国のPEのファンディング状況だとかIR/コーポレートガバナンスの整備状況、マルチプル水準など興味のあった内容を聞くことができ、正直MBAより気が合う人が多いんじゃないかと思ったくらいです(比較的MiFのほうがMBAより年齢層は高め)。

 

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  1. 3~4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学

LBS以外の学校との交流ということになりますが、LBSでは交換留学(International Exchange Program)がとても盛んで、1学年の約3~4割の生徒が世界のトップスクールに留学しています。

 

ウォートンやMIT、シカゴやコロンビア、ケロッグ、ハースといったアメリカでのトップスクールとLBSの両方を体験できるのは個人的には非常にお得だと思いますし、LBSほど交換留学が盛んな学校(他校への留学生の枠をもっている学校)もないのではないかと推察いたします。

 

交換留学なのでもちろんLBSに来られる学生もおり、日本人でいうと去年もウォートンから一人LBSに留学されていました。

 

正直なところ、私はコロンビアとLBSのどっちを第一志望とするか迷ったのですが、LBSは交換留学を使えば、両方の学校を体験できお得なので、これもLBSを第一志望として要因の一つです。

 

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  1. ダイバーシティ

アメリカの学校に比べてLBSの生徒はいろんな国から来ているというのは有名な話かと思います。この国籍のダイバーシティにどう価値を見出すか/レバレッジするかは人それぞれかと思います。実際授業で取り上げられるトピックもアメリカ中心ではないです(アメリカの学校がどこまでアメリカの事例を扱っているかは不明ですが、LBS独自のケーススタディはほとんどがヨーロッパやインドのもの)。

 

 

特に日本人にとって国籍のダイバーシティがメリットだと感じる点の一つは、LBSにおける様々なクラブにおいて役員的なポジションに就任しやすい環境/土壌があることではないかと思います。真偽はわかりませんが、アメリカのトップスクールでは、日本人はどうしてもビジネス系のクラブではスタンドアウトしづらく、アジア系のクラブでしかエグゼクティブになれないといった話も聞いたことがあります。実際、私もアメリカの学校にビジットした際に、アメリカ人の生徒が6~7割以上であるためなのか、インターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたのも事実です。LBSではたくさんいる気がしますが、私の知る限り、去年はターンアラウンドクラブのトップは日本人で、今年もエネルギークラブや生徒会等のポジションに日本人がいたと思います。クラブ活動に興味がある方にとってはポジティブだと思います。

 

また将来的にアメリカ以外の国で働きたいという人にとってもお勧めだと思います。たとえば最近はアフリカへの関心が高まってきていると思いますが、こうした途上国で働きたい/途上国関連のビジネスをしたいという人にとってもその国出身の人たちが数多くいるので、実情を聞くこともできるでしょうし、ネットワーキングにもつながると思います。実際昨年のLBSにおけるアフリカクラブによるビジネスカンファレンスは大盛況だったようです(数あるカンファレンスの中で一番評価が高かった)。アメリカの学校と違い、卒業生のほとんどは各国に散らばっていくので、そういった人たちとのアルムナイネットワークの構築がしやすいこともメリットだともいます。

 

このように国籍の多様性によるビジネス面でのアップサイドは多岐にわたると思います。私としてはヨーロッパ各国における商慣習の違いや各政府が力を注いでいるインダストリーの違い等を同級生から聞けたことは良かったと感じております。

 

加えて遊びの面についてですが、国籍の多様性故にさまざまな国のクラブがあり(イタリアクラブ、ギリシャクラブ、ポルトガルクラブ等)、ロンドンという立地を活かして、様々な国への学生旅行(トレック)が企画されます。ちなみにジャパンクラブによるジャパントレックは最大規模で一番人気があるようです。こうしたローカルの学生によって企画された旅行に参加することは国籍の多様性ならではだと思いますし、クラスメイト以外とも友人を作れるのでよい機会だと思います。こうしたトレック以外にも、TATTOOという文化祭が毎年あり、各国の食事やダンスを楽しむことができます。

 

個人的には国籍のダイバーシティがあることがMBAにおいて絶対的に正しいかはわかりかねますが、シンプルにいろんな国の人がいたほうが学生生活は楽しいというのはあるかと思います。

 

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  1. ロンドンという立地

LBSの差別化要因の最後として、当然ながらロンドンという立地が挙げられると思います。

 

この環境をどう生かすかは人々のプレファレンス次第だと思います。例えば、学校以外のコミュニティともネットワーキングをしたいということであれば大都市のロンドンは魅力的でしょうし(学校から20分以内でシティ)、就職活動に注力したい場合も世界のトップ企業が集まっているので不自由はないと思います。実務家をゲストスピーカーとして招くことも容易なため、授業に実務的な視点も組み込めるのも魅力だと思います。また金融やコンサルはいわずもがなかと思いますが、FinTech(最近バズワード的になってきてはおりますが、、)にご興味のある方も、シティ(Global financial centre)とTech Cityがあるロンドンは環境としては素晴らしいと思います。

 

私は都会の学校を志望しておりましたが、その理由の一つとして、現地で働く日本人プロフェッショナルと学生の立場を活かしてお会いする機会をたくさん持ちたいなと思っており、ロンドンはそういった観点からも魅力的です。

 

 

 B. LBSにフィットする人とは?

上述のLBSの差別化要因のまとめのようになってしまいますが、LBSには学校の提供するコミュニティ/プラットフォームやロンドンという立地から、自分のやりたいことは何でもできる/サポートしてもらえる環境は整っていると思います。

一方で学校側のほうからこれをしろ、あれをしろ、下位10%は退学だといった厳しいカリキュラムではないことから、自分の時間をたくさん持つことができます。

 

そのため、個人的に思うLBSにフィットする人材とは、自主性を持っており、能動的にアクションを起こせ、また他者からの刺激を受けることで行動できるような人、なのだと思います。自分でやりたいことが明確な人、もしくはやりたいことを自ら探していきたい人にとっては素晴らしい環境だと感じます(まだ一年しか在籍しておりませんが、、、)。

 

そのため、強制された環境で強引にストレッチしてもらったほうが成長できる/そのような環境(軍隊的な)を望むような人、にとってはあまりフィットしないかもしれません。

 

また一方でMBAをある種のバケーションだと捉える人にとっても、時間はたくさんあり、旅行もしやすい環境であることから、魅力的な学校なのだと思います。

 

 

 C. スコアはいくら必要か?

2017の先輩が下記のようなわかりやすい図を作成されていたので転用させていただきましたが、受験におけるGMATスコアの重要性はアメリカの学校と比べて低いと個人的には感じております。これは全体的なGMATのスコアが低いということではなく、GMATが700オーバーの受験生が不合格であるにもかかわらず、GMAT600後半の受験生が合格しているということです。実際、LBS全体の合格者のGMAT平均スコアは伸びています(MBA2018の平均は707)。

 

米国の学校は非常に点数至上主義(GMAT)だと感じており、欧州系の学校はGMAT が600 後半であっても(700 に達していなくとも)合格している受験生が一定程度存在しております。LBS については大多数が700over ではあるものの、600 後半の人間も少人数でありますが毎年存在しています(LBS の日本人公式ブログに過去の合格者のスコアが記載されています)。LBS はたとえGMAT が700 後半であっても不合格となり、600 後半の人が合格しているというケースが私の周りで散見されたことから、US に比べGMAT をそこまで重要視していない(エッセイやインタビューのほうをUS よりも重視している)ように思われます。

 

これはUS News MBA Ranking という米国で最も古いかつ一般的な(最も参照されている)、米国の学校のみを対象としたMBA ランキングにおいて、GMAT スコアが学校のランキング/順位に多大な影響を与えているからだと言われております(米国以外の学校は当該ランキングの対象外)。また学校にもよりますが、大多数の学校はアドミッションではなく、アルムナイによるインタビューであることから、面接のプロではない日本人のアルムナイインタビューでのフィードバック結果をアドミッションオフィスがそこまで信用していないのではないか、という噂も聞きました(なお、一方でエッセイの量が数年前に比べ激減していることから、その分インタビューを重要視しているのではないかという噂もあり)。

 

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TOEFLについては他校同様、重要性は高いのだと思います。特にLBSは現状、インタビューにおいて即興のプレゼンテーションが求められますので、そういった受験プロセスからもアメリカの学校同等もしくはそれ以上に英語力については重要視していると感じます。

 

 

 D. LBSファイナンススクールなのか?

たしかにフィナンシャルシティであるロンドンに立地しており、選択科目の充実度やファイナンス専攻のMiFのプログラムもあることから、ファイナンスを学びたい学生にとっては魅力的な学校ではあると思います。またアメリカの学校に留学している友人とも話しましたが、必修科目であるCorporate Financeの授業で取り扱うケースのレベルもLBSのものは高いようです。この授業で取り扱った敵対的買収のケースは、一物二価の議論(初回TOB時とホワイトナイト参入後における提示価格の違いのロジック等)や州法や米国のTOB規制、対象会社がとるべき買収防衛策のプロコン、対象会社及びシナジーのNPV計算における割引率の考え方等について言及する必要があり、正直難易度は高かったと思います。

 

ただ一方でLBSのMBA生の中でファイナンス志望の人間は実は多くなく、やはり戦略コンサルタントやテック志望が多いイメージです。授業以外にもコンサルティングハッカソンプロジェクトなど、LBSコミュニティを活用した学びの機会があり、ファイナンス以外を中心に学びたい受験生のほうが多いと思います。

 

私もエッセイ上は、ファイナンスではなく、ジェネラルマネジメントを学びたいという形にしました。

 

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 E. 私がLBSを選んだ理由

最後に私個人の志望理由について、これまでと一部重複もあるかと思いますが、簡単に記載させて頂きます。

 

もともとMBA コミュニティ以外でのネットワーキングや実在する企業とのプログラムを通じたコワーク、生活/食事の充実等といった観点から大都市、とりわけファイナンスバックグラウンドにフィットするNY かLondon(Wall Street やFinancial Centre で働くファイナンス実務家が授業で教えてくれる環境)がいいなと漠然と考えておりました。大都市の学校に行く場合のデメリットとしては、物価/家賃が高いことや学校以外でのコミュニティが豊富すぎるがゆえに生徒同士での結びつきが弱まること等があると思いますが、独身かつ社費なので金銭面での不安はそこまでなく、学校外でのネットワーキングも重要視していたので、都会の学校のデメリットは私には特段問題となりませんでした。そのため当初はColumbia かLBS が私の第一志望でした。

 

最終的にColumbia ではなくLBS を選択した理由としては、主に以下が挙げられます。

・LBS は交換留学が盛んで半分近くの生徒がUS やヨーロッパの学校に留学できる環境が整っていたこと(ロンドンとアメリカの両方の学校に行けるのがベスト、US の学校も交換留学はあるが実施する人は少数派)

・LBS はマジョリティの国籍が存在せず、アメリカだけではなく世界各国の人とコミュニケートし各国のビジネス慣習/文化を学ぶことができること(特にヨーロッパの国ごとの文化の違いに興味あり、アメリカ以外との案件が多い弊社ではより有用だと感じた)

・LBS は毎年日本人合格者が10 人以上出ており、卒業後の日本におけるネットワークが強いこと(加えてUS の卒業生は大半がUS 勤務だが、LBS の卒業生は世界に散らばっていくので、グローバルなアルムナイネットワーキングの観点からもポジティブ)

・LBS は15 ヶ月で卒業も可能なカリキュラムであり、学校以外のことにも精力的に取り組めるプログラム構成であること

・Columbia へビジットした際にインターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたこと(US の学校では一般的かもしれないが)

・Columbia のロケーションがマンハッタンのメインから少し離れていたこと

・アメリカの大統領選挙で、Donald Trump の人気度合いからアメリカ人の外国人に対する本音が垣間見えたこと(外国人への排他的感情)

・週末にヨーロッパ各国に旅行できること(LCC が発展している)

 

ただアメリカ人がマジョリティを占める中でどう戦っていくかを学ぶことは非常に重要で、特に卒業後のキャリアとしてUS で働くことを想定している場合には、US の学校に行くことも望ましいと思います。

 

 

 

最後に

MBA2017の先輩が昨年のLBS日本人在校生/卒業生による説明会において使用したプレゼンテーション資料をアップロードさせていただきましたので、ぜひご覧ください。

http://d.kuku.lu/46fbef3a91

 

また今年も日本人在校生・卒業生による説明会を7/29(土)に開催させていただきますので、是非ご参加ください。在校生やアルムナイの方が数多く参加されますので、より生の声を聴くことができると思います。

下記リンクのEventbriteサイトよりご登録下さい。

https://lbsintokyo2017.eventbrite.co.uk

MBA受験7(エッセイ/インタビュー)

 

1. 最初の進め方

レジュメやエッセイ等の準備を進めていくに当たり、まず自身と似たバックグラウンドの先輩(部署、学歴、海外経験等)を複数探しだし、当該先輩方がどのようなレジュメ、キャリアゴール、アチーブメント等をアプリケーション上で記載したかを教えてもらう/確認することが効率的な進め方であると感じます。特にレジュメに書くべき事項は非常に似通った内容になることが多く、先輩方のものを模倣する形でまずはドラフトを作り、すぐにカウンセラーと相談することが望ましいと思います。

 

似たバックグラウンドの先輩方がどのようなことを書いているかを確認したのち、次に検討すべきは如何にして差別化を図っていくかという点であると思います。非常に難しい部分であるかとは思いますが、自身の人生経験、案件/業務経験から自分ならではのエッセンスをどれだけ出せるかがオリジナリティの鍵だと存じます。

 

この差別化を検討するに当たり、自身の過去の経験(Personal とProfessional)を棚卸し、ブレストしていくことが効率的だと思います。過去の経験の棚卸し等については、各カウンセラーやAgos、濱口塾等にそういった点を検討するための専用のフォームがあるので、それを使って考えていくことが望ましいと思います。この最初のブレストのタイミングにおいては、日本人カウンセラーとディスカッションすると自分の伝えたいニュアンス等も互いに共有できるので、より効果的かもしれません(私はAgos の岡田さんと実施)。

 

 

2. キャリアゴール設定の重要性

現在、MIT を除き、ほぼすべてのトップスクールでキャリアゴールについてアプリケーションにて言及する必要があります。一般的に日本では社費生のほうが私費生よりも合格率が高い印象がありますが、これはスコアもさることながら、一般的に私費生のキャリアゴールは実現可能性が低くなりがちである点も1 つの理由だと感じております。結局のところ、Why MBA、Why the School の回答として、MBA に行かないと達成できないこと、MBA に行くと目標達成が非常に早くなる、といった合理的な理由を用意しておくことが必要不可欠であり、当該答えがキャリアゴールとなります。

 

以上の通り、アプリケーションにおいてはキャリアゴールを如何に設定するかが肝であり、当該ゴールにどこまでMBA の必要性とオリジナリティ、フィージビリティを持たせられるかが鍵であると思います。そのためレジュメ作成が完了した段階で、テスト対策と並行して、キャリアゴールについての検討/協議をカウンセラーと始めていくことをお勧めします。社費での受験であれば、もちろん自社に戻ってくる前提でのキャリアゴールを検討する必要があります。

 

 

3. ネタ出し

各学校のエッセイトピックは異なるものの、1 つの学校のエッセイを部分的に使いまわすことは可能であると思います。しかし完全には使いまわせませんし、推薦状に記載すべきエピソードも必要、そして何よりインタビューにおいてはエッセイと違うネタを話す必要も生じますので、エッセイ作成の段階から、聞かれていることだけではなく、可能な限りネタ出しをしておくことが望ましいと思います。具体的には、チームワークやリーダーシップ(自身のリーダーシップとは何かという定義付けが必要となる)、アチーブメント、問題を解決したエピソード等です。

 

これらのネタ出しを実施するに当たっては、まず自身の強み/弱みが何かを英語で明確にし(海外のHP によく強み/弱みの英単語が載っているのでそれを参照)、それらを具体的に説明できるエピソードを思い出していく形が効率的かと思います。なるべく多くのネタ出しをやっておくと、カウンセラーから違うエピソードを求められたときにスムーズにディスカッションできますし、自分が弱いと思っていたエピソードの見せ方についてアドバイスしてもらえることもあるので、非常に有用だと思います。

 

たとえば投資銀行バックグラウンドであれば、過去にたくさんのファイナンスM&A 案件を実施してきたでしょうから、まずは自身が今までやってきた案件名をすべてリストアップし、各案件において自身が活躍した/タフだったときのことを思い出すことから始めるとよいと思います。特にクロスボーダーだとより望ましいかと存じます(無理してクロスボーダー案件にこだわる必要はないが)。このあたりの検討に当たっては社内における360 度評価でのコメントが有用だったりすると思います。またProfessional なエピソードだけだと偏ってしまうので、自身のPersonal な経験/エピソードについても合わせて考えることが必要だと思います(社会人生活は仕事のみになりがちなので、このPersonal な部分を仕事以外でどうアピールするかは非常に苦労しました)。自身ではくだらないと思っていることでも、カウンセラーと話すとアピーリングなエピソードになったりしますので、このあたりはぜひカウンセラーとご相談ください。

 

 

4. 各学校での使い分け

ファイナンスに強い学校へのアプリケーションにおいてはファイナンスを勉強したい旨を記載し、ジェネラルマネジメントに強い学校においてはファイナンスにあまり触れないといった使い分けをされているアプリカントもいると認識しております。ただこの場合、キャリアゴールとの結びつきが弱まり、ロジカルさに欠ける恐れもありますし、なによりColumbia だからといってファイナンスを学びたいと言っている人しか合格していないわけもありません。どのMBA も必要なものはアントレからファイナンスまですべて用意していると謳っておりますので、自身のキャリアゴールを捻じ曲げてでも各学校の強みにエッセイをアジャストさせる必要はないと思います。実際私も、ファイナンスに強い学校においてはファイナンスを学びたい旨をアピールしたほうがいいとアルムナイの方からもアドバイスを頂戴しておりましたが、そうするとWhy MBA のロジックが崩れるのでジェネラルマネジメントを学びたいという自身のエッセイを貫き通しました。

 

 

5. インタビュー対策

インタビュー対策ですが、TOEFL が105 前後取れていて、日々海外案件にも取り組まれている方であれば、そこまで心配することはないと思います。HBS のインタビューはかなりタフだと聞きますが、それ以外の学校であれば想定質問/回答、インタビューアーへの質問を数多く作成し、モックインタビューをいろんなカウンセラーと実施することで、十分に対応できると思います。イメージとしては1 ヶ月間程度、インタビュー対策に取り組むことができれば十分だと感じます(ネタ出しはすでにエッセイ作成時に実施している前提)。ただインタビューアーが帰国子女の方の場合は、一般的な型にはまった質問は少なく、想定していなかった質問もされがちになる点には留意が必要です。私は運悪くどの学校もインタビューアーが帰国子女の方々で、一般的な質問はあまりなく、かなり焦りましたが、想定問答集の回答を使いまわすことで対応することができました。


過去のインタビューにおける質問内容はカウンセラーからもらうと一番早いと思います。現時点ではEd がおそらくどのカウンセラーよりも情報を持っていると思いますので、インタビュー対策に当たってはEd にコンタクトすることをおすすめします。私もEd から過去3 年にわたるインタビュー時の質問を大量にもらいました。

 

また志望校のインタビューにおいて、面接官がアルムナイなのかアドミッションなのか、グループディスカッションやプレゼンテーションが必要なのか、オンサイトで実施する必要があるか、特殊なインタビューを実施する学校かどうか等を確認することも非常に重要だと思います。現在、多くの学校がアルムナイとのインタビュー方式を採用していますが、HBS は毎年アドミッションとのインタビューです。またColumbia はインタビューアーをアプリカントが選ぶことができ、質問がタフで有名なアルムナイもいるそうなので、そういった方を選ばないようにするのも重要だと思います(このあたりはEd が詳しい)。またTuck/NYU はオンサイトでのインタビューが推奨されると聞きます。Wharton はグループディスカッションがあり、LBS は即興プレゼンテーション、Darden は20~30 分ひたすら自身のことを話し続ける等、特殊なものを学校によっては求めてくることもありますので、情報収集は大事です。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

MBA受験6(カウンセラー)

MBA 受験において自分にフィットしたカウンセラーを見つけるのは非常に重要なので、なるべく早い段階からいろいろなカウンセラーにコンタクトすることをおすすめします。

 

カウンセラーの役割は様々かと思いますが、メインはやはりエッセイ/推薦状作成とインタビュー対策のサポートだと思います。エッセイを書き始める前に具体的に何をすべきか、エッセイには何を盛り込むべきか、キャリアゴールの合理性/妥当性、自分が気付いていない自身の差別化要因は何か(内面的な部分で)、各学校の特色に合わせてどういった内容をアピールするべきか、エッセイと推薦状とをどう書き分けるか(アピールポイントが被らないように)、過去のインタビュー質問(過去の受験生からの情報提供)、1stラウンドの合格者の状況、エッセイの英文修正等、このメインのパートだけでも非常にたくさんのサポートを受けられます。

また普段からカウンセラーと英語でコミュニケートすることは、地味にインタビュー対策にもつながっている気がします。

 

カウンセラーのスタイルや性格も色々だと思いますが、相手からのアプローチを待たず、自ら積極的に質問や依頼をしていくとより効果的だと思います(時給が非常に高いので、より効率よく使うべき)。

 

私はたくさんいるカウンセラーの中で、過去に自社の社費生を担当したことがあるカウンセラーを中心にコンタクトしました。私は4 月頃に下記のカウンセラーと会い、最終的にメインカウンセラーをJessica King、サブをEd Lee にしました。

 

  • Jessica King

ハーバード卒業の女性で、HBS のモックインタビューでもともと非常に有名(近年のHBS合格者のほとんどが利用した様子)。メインカウンセラーとしての生徒数を絞っていることによるコミット、自分の意見を押し付けず生徒から引き出そうとする姿勢、正直にダメなときは辛辣なコメントをくれる(Deadly boringとか)、自分では弱いと思っていたエピソードをピカピカにするセンスの高さ、五反田在住で家から近い等の理由でJessica をリテイン。IB のMA バッググラウンドという典型パターンだったのでいかに差別化するかを一緒に考えてくれるのは非常に助かった。特に私の代は実績が良く、私の知る限り、メインカウンセラーとしてWharton、LBS(2 人)、Kellogg に合格者を出している(もちろんインタビュー対策含めれば相当多くなる)。とてもお勧め。

 

  • Ed Lee

以前にHBS のほとんどがEd のクライアントであったことから人気が急騰し、非常に数多くのクライアントを抱えているカウンセラー。気性は非常に穏やかであまり厳しいことを言わないという印象。商社の人はEd が大好きというイメージ。生徒数が多すぎて時間が割けなくなることを危惧し、Ed はサブとして情報収集を目的にリテイン(実際、今年は生徒数を取りすぎたとEd 本人も後悔していた)。モックインタビューはお願いした。

 

  • Adam Markus

Adam は非常に日本人のアプリカント状況に詳しくクオリティも高いが、私の時は彼がINSEAD のEMBA に通いながらのカウンセリングになるとのことだったので、片手間になることを恐れた。コストは他のカウンセラーと比べても高めの印象。日本にいないためFace to Face のセッションができない点も私にとってはマイナス。現在はもうEMBA も卒業しているので、非常にお勧めするカウンセラー。実績も抜群。リテイン時に高TOEFL/GMAT を求められる可能性あり(100/680)。モックインタビューはお願いした。

 

  • Vince Ricci

有名なカウンセラーの一人。非常に頭が切れると有名でLBS 好きだと聞いたが、ムラッ気がありやる気のある時とないときの差が激しいとの噂から避けた。日本以外にもクライアントを持っており、海外のアプリカントとの比較が可能。現在はAgos に所属。リテイン時に高TOEFL/GMAT を求められる可能性あり。モックインタビューはお願いした。

 

  • Warren Devalier

Devalier は非常に古くから日本でMBA カウンセラーとして働いており、実績はかなり豊富。ただかなりのお爺ちゃんで自身のコメントをアプリカントに強要するスタイルなので、フィットしない人はやめた方が無難(こういう風に書け!というスタンス)。以前、Devalier からVince に途中でカウンセラーを変えた人がいたが、Vince がDevalier のエッセイに対しひどすぎてこれでは受かるはずがないと豪語したという噂もあり、スタイルもあわないのでやめておいた。ただ一方でDevalierを絶賛する人もいて、かなり印象がばらけるイメージ。

 

  • John Couke

TOEFL スピーキング予備校のE4TG にも所属しているカウンセラー。スコアのリクワイアメントがないこともあってか、実績は他のカウンセラーに比べると劣後する印象。モックインタビューはお願いした。

 

  • Steve Green

JessicaもAdamも非常にお勧めするモックインタビュー向けのカウンセラー。事前にアプリカントのアプリケーションも読み込み、かなりクオリティの高いモックができる。インタビュー対策で非常におすすめ。

 

  • Matthew Aldridge

奈良県在住のカウンセラー。濱口塾と協業しているが、Matthew 単独でのリテインももちろん可能。モックインタビューにおけるコストが非常に安価で有名。インタビューの戦略含めて、数多くのセッションをお願いした。凄まじい人格者。インタビュー対策時にはおすすめ。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

MBA受験5(テスト対策)

 

1. TOEFL/IELTS

2017 年現在、ほとんどの学校でIELTS についても認めている状況(以前は一部のトップスクールでは認められていなかった)なので、TOEFL でどうしてもスコアメイクが難しそうであれば、IELTS に移行することも検討すべきだと思います。TOEFLのスピーキングはかなりドメ生にとってはハードルが高く、ここがそれなりに取れないとハイスコアはなかなか難しいと感じています(実際、TOEFL109 が超えられず、IELTS のみでHBS に合格している方もいる)。

 

 

2. TOEFL対策

TOEFL の勉強方法や対策の詳細については下記の予備校や他の方のブログもご参照いただければと思いますが、簡単に私が重要だと思うTips について記載させていただきます(私は恥ずかしながらTOEFLは50点からのスタートなので、私の対策詳細についてはおって記載する予定です)。

 

単語の発音と意味がわからないとどうしようもないので、まずは単語力をつけることが点数向上の最短距離だと思います。空き時間で単語帳を見て意味を覚え、通勤時間や寝る前(もしくは寝ながら)に単語帳の音源を聞き音で意味を覚えていくのがお勧めです(スペルはそこまで気にしなくてもよい)。単語帳は音源がついているものであればどれでもよいと思います。


リスニングのTips は、リスニング中に一切メモを取らず、内容に集中することだと感じます。メモを取っているとその際の音を聞き落すことが多々あり、それによってひっかけ問題にはまりやすくなる恐れがあります。私はメモを一切取らなくなってから、スコアが26~28 で安定しました。


ライティングについて、特にIndependent に関してはネイティブが書いた汎用的に使いまわせそうな英語のエッセイを丸暗記し、それを使いまわしていくことが28 点程度を確保するための最短距離だと思います。私は4 エッセイ(1 つのエッセイは3 パラグラフ構成)を丸暗記し、計12 個のパラグラフを適宜トピックに合わせはめ込み、微修正する作戦を使いました。丸暗記したものを加工するだけなので、10~15 分でエッセイを書ききることができます。この丸暗記作戦は覚えた内容をスピーキングでも使えるのでお勧めです。

追記:詳細はこちら

wilkinson.hatenablog.com

 


またGMAT の対策がTOEFL 対策にもつながると感じます。特にGMAT のSC 対策で自身の文法力が強化され、ライティングやリーディングにプラスに働くのを実感しました。なおTOEFL のスピーキングで26 点以上をとっているかどうかを見ている学校(Columbia)もあるようなので、理想的にはそのあたりの水準を取れると日本人アプリカントとしてはアピーリングだと思います(だいたいの日本人アプリカントは24 以下のスコア)。

 

 

3. TOEFL予備校

私はIELTS については手を出していないのでわかりませんが、TOEFL についてはかなりたくさんの予備校に手を出しました。以下が私見ではありますが、私の経験からの各学校へのコメントです。

 

No.

学校名

場所

コメント

リコメンド

TOEFL

1.

Andy田開

都内/通信

TOEFL対策で一番にお勧めする。Andy田開という日本人の方が個人で運営している勉強会で、中国や韓国のTOEFL教材やTPO(TOEFL Practice Online)を主軸とした勉強方法をレクチャーしてくれる。またWritingの添削サービスも実施しており、コスパが非常に高い。また中国サイトに掲載されているスピーキング/ライティングの予想問題も教えてくれる。100点の壁を越えられず苦労している方にぜひお勧めしたい。

http://andymina.blog136.fc2.com/

★★★★★

2.

Web TOEFL

通信

コスパは抜群で、勉強方法についても学びがある。ただ基本的に初心者向けなので、TOEFLに自信がない方が最初に受講するような予備校。90点近く取れている人は不要か。ブログはおすすめ。

★★★★☆

3.

E4TG

日本橋

日本で唯一といっていいほどスピーキングに特化した予備校で、非常に有名。皆の前で録音したものを聞かれるという辱めを受けることから、そのプレッシャーでより努力する形。基本的にテンプレート戦略の学校。

★★★★☆

4.

AGOS

渋谷/通信

最大手だけあって幅広くコースが準備されており、最初にTOEFLの全体像をつかむにはいいかもしれないが、コスパは悪い印象。時間もかかる。人数も多めなのでAGOSに通うだけで満足してしまいがち。

★★★☆☆

5.

Dr. Write

通信

TOEFL Writingの添削を通信でやってくれるサイト。クオリティはそれなりにあるが、コストは高めな印象。前述のAndy田開の添削サービスが合わなかった場合にDr. Writeを使えばよいのでは。

★★★☆☆

6.

LINGO

新宿

100点コースを担当する林先生という変わった先生が売り。TOEFLの英単語の本等を作っている先生。Writingの添削をしてくれるのと過去の受講生のお手本をくれるのは良かったが、コスパは悪め。

★★★☆☆

7.

PRESENCE

表参道

スパルタ感の強い塾で、英単語の宿題は結構負荷が重く、単語を覚える観点ではいいが、英語力を高めるのではなくTOEFLのスコアを取るという観点での戦術は弱い。なんだか熱血過ぎて合わず。

★★☆☆☆

8.

濱口塾

大阪/通信

GMATに定評のある塾だが、TOEFLについてもコースを提供している。スピーキング/リスニングはカウンセラーでもあるMatthew Aldridgeが担当。実際の問題より難しい問題を解かせるスタイルのため、あまりおすすめしない。GMATはおすすめ。

★★☆☆☆

9.

Affinity

神田

AffinityもGMATメインの学校だが、TOEFLについてもクラス提供しており、ワンデイセミナーや英文法についても提供しているのが売り。スピーキングで伸び悩んだらAffinityの1日スピーキングセミナーを検討するのも一案。

★★☆☆☆

 

 

 4. GMAT/GRE

私はGRE には手を出しませんでしたが、GMAT のスコアが伸びない方であればGRE 受験についても検討することをお勧めします。実際、GRE はどの学校でも認めているテストですので、低GMAT で勝負するくらいであればダメもとでもGRE に活路を見出すべきだと思います。GREは単語の問題が出題されるなど、GMAT よりも単語力が求められるようなので、勉強方法等についてはAffinity やAGOS にお問い合わせすることが望ましいと思います(Affinity はGRE 受験も含めて検討すべきと考えている予備校)。

 

 

5. GMAT対策

GMAT はTOEFL 以上に運の要素の強い変わったテストだと思います。またGMAT については自身のバックグラウンドによって攻略方法が変わってくると感じます。個人的にはAffinity の飯島(野口)先生とのカウンセリングでGMAT の勉強方法について最初に相談することをお勧めします。

 

  • 大学受験経験者(過半数の方々)

大半の方は大学受験を経験し、そこで英文法/英文読解を重点的に対策されたと思いますので、そういった方々はSC 独特のルールや攻略方法をつかんでしまえば、比較的早い段階でGMATのスコアメイキングが完了すると思います。CR やRC は文の意味がわかれば正解できる性質の問題ですが、SC は文の意味だけでは解けないタイプの設問です。そのため、時間の大半をSCに投入すればよいのではないかと推察いたします(CR/RC は対策をそこまでしなくとも点数がそれなりに取れるであろうことから)。

 

  • 大学受験未経験者(大学一貫校の内部生)

一方で大学受験を経験しておらず、英文法に注力した勉強をしていない内部生はGMAT のVerbal でかなり苦労すると思います(実際まわりの内部生は苦労している印象)。一般的に内部生は文法、英文構造をつかむ力、単語力といった英文読解力が弱い傾向にあるためです。SC はある程度時間を割き、独特なルールを把握してしまえばそれなりにスコアが取れるようになりますが、CR/RC といった読解問題を短時間の中で解く力は一朝一夕には上がりません。そのため、早い段階から準備を始め、少なくともテスト慣れしておくことが必要不可欠だと思料いたします。

 

  • 帰国子女

また帰国子女の方でも苦労される方も散見されます。これは大学まで海外の方だとそういったことは少ない印象がありますが、中学まで海外にいたなど、英文法や難しい英語の読解の勉強経験が浅い方はドメの日本人以上に苦労されている方も多々いらっしゃる印象を持っています。こういった方は大学受験を経験した日本人用の予備校(文法重視)ではなく、よりテクニック重視な予備校へ行かれることをお勧めします。

 

 

Math についてはGMAT 特有のひっかけ問題があるので、テスト慣れのためにそれなりに時間を要すると思います。ただ受験の一ヶ月前から集中的にやることで十分事足りると思います。難しい問題だけをやりたい場合は、GMAT Club というサイトに過去問が解説付きで掲載されているので、そこでMath 上級がタグ付けされたものをこなしていくのもお勧めです。

 

GMAT の総合得点が重要である一方で、学校によってはVerbal とMath のバランスにも注視しているという噂を聞いたことがあります。特に日本人アプリカントに対しては、皆Math ができることは理解しているので、Verbal のスコアについても気にしているという話をカウンセラーが言っていました。

 

 

6. GMAT予備校

私は、GMAT 対策として濱口塾をメインに、Affinity(CR とRC)、MEISTER(GW 期間)、Agos(中山先生の個人指導)、YES(文法コース)に通いました。下記が私の経験および友人の感想を踏まえた各予備校へのコメントです。

 

No.

学校名

場所

コメント

リコメンド

GMAT

1.

濱口塾

大阪/東京/通信

GMAT の総合的な対策では一番におすすめ。大阪の予備校ではあるが、大阪と東京の両方で授業を実施しており、何より授業の音源と資料をファイルでもらえるので、自分の都合で好きなタイミングで受講が可能なところが非常に良い。音源なので倍速再生や戻り聞きもできる。SC/CR/RC/IR およびMath と総合的に対策でき、どこよりも大量の過去問(おそらく中国で集められたもの)の設問/解説があるのが素晴らしい。CR/RC は全訳あり。Skype/メールでいつでも濱口先生に質問可能。SC の解法は文法とテクニック重視の中間(YES とAGOS の間くらいのイメージ)。

★★★★★

2.

Affinity

神田

SC/CR/RCと各科目での授業を個別に受講できるのが売り。SC 偏重ではなく、CR やRC で点を取ろうというスタイルも推奨。CR の解法はロジカルでおすすめ。GMAT の勉強方法やGRE への移行等について飯島(野口)先生と個別相談するのもおすすめ。

★★★★☆

3.

AGOS

渋谷/通信

AGOS の一般的な授業は受講していないにもかかわらず、中山先生に無理を言って、個人指導のみ受講した。GMAT について一通り学んだ後に受講することがおすすめ。

★★★★☆

4.

MEISTER

渋谷

日系ブラジル人?と思われる日本語がややカタコトの先生が教えており、他の予備校に比べて非常にテクニック重視。ある程度GMAT を学んだ後に受講するのがベター。帰国子女の人にはフィットしやすい可能性あり。先生がGWおよび夏休みに日本に帰ってくるため、当該期間において短期集中で授業が実施される。AWAのテンプレートはここが良かった。コスパは悪い。

★★★☆☆

5.

YES

御徒町

吉井先生というなかなかエキセントリックな先生が文法に非常にフォーカスしてSC について指導する予備校。先生とフィットしない人もいるかもしれないが、個人的にはわかりやすい授業でおすすめ。私は文法コースのみを受講。

★★★☆☆

6.

Affiance

不明

私は受講していないが、周りの受講した友人から聞くに先生の評判があまりよくない様子。無駄にMath にも時間を割くらしく、バーバルの教え方も腑に落ちない点があるとのこと。唯一のメリットはグループワークを推奨されるので、GMAT 仲間ができること。

☆☆☆☆

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

MBA受験4(その他Tips)

 

1. ビジットのタイミング

MBA 受験に時間とお金を惜しまないのであれば、2 回ビジットすることをお勧めいたします。1回目は、1stラウンド出願を見据え理想は在校生のテスト前の3~4 月のタイミング(卒業直前の学校のことを知り尽くした2年生がおり望ましいタイミング)、2 回目は1st アプライ後/2nd ラウンド前の10~11 月のタイミングが望ましいと思料します。

 

この考え方の前提としては、前述のMBA受験3(受験校選定)で記載した通り、1stラウンドで中堅校に出願し、2ndラウンドでドリームスクールに出願するというものです。

 

1 回目のビジットについてですが、1stラウンド出願前に、行きたい学校をどこにするか決めるために現地を見るというのは合理的な考えですし、いざ見てみるとイメージとかい離していることもありますので、学校を直接見ておくことは重要かと思います。またトップスクール/中堅校はまだしも、滑り止めをどこにするか決めるに当たっては、ブランドや知名度よりも、ロケーションや実際の住みやすさ等が重要になると考えられますので、そういった点を確認しておくことは大切だと考えます。なお1 回目のビジットの際は特にエッセイ等をなにも準備していない段階でしょうから、よほど英語力に自信がある場合を除き、アドミッションとのコンタクトはしないほうが良いかと存じます。

 

なお1回目のビジットはどこの学校に行きたいかを決める目的であるため、なるべく数多くの学校をまわることが望ましいと思います。そのため、時間的制約がある中でより多くの学校をまわるという観点から、おすすめとしてはアメリカの東海岸の学校群へのビジットをおすすめします。具体的にはフィラデルフィア(Wharton)からNY(Columbia、NYU)、ニューヘイブン(Yale)、ボストン(HBS、MIT)というイメージです。特にNYとボストンは一日で2校もまわれるので、かなり効率的にビジットすることができます。

 

2 回目のビジットは、スコアも最低限度あり、エッセイの骨子をある程度書き上げている状況で実施するのが理想的であると思います。この時にはすでに受験校は決まっていることから、どこの学校にするかという観点ではなく、志望動機の強化(エッセイ/インタビュー対策)やアドミッションへの直接のアピールの場として使うことが望ましいと存じます。前述の通り、特にこのアドミッションへの直接のアピールは諸刃ではある一方、非常に有効だと思われますので、万全に対策を行いアポとりすることをおすすめします(私は、合格した学校については、事前にアポを取り、アドミッションとの1:1 セッションを実施しました)。このアドミッションへのアポは受験生からでは取れない場合も多く、卒業生や在校生にお願いして特別にセットしてもらう必要があることもあります。

 

なお2回目のビジットタイミングである10~11月は、学校に入学したばかりの新1年生とこれから選択科目(エレクティブ)を受講する2年生という時期になるため、授業内容については細かい情報を聞けない恐れがあることにご留意ください。

 

また6月から9月上旬は夏休みであり避けることが望ましいと思います。また土日は授業がないところも多く、留意が必要です。

 

ビジット前に実施すべきことは、主に在校生とのアポとり、クラスビジット/インフォセッション/その他イベントの予約、在校生及びアドミッションへの質問の洗い出し、ロジ調整(飛行機/ホテル等)で、思いのほか調整が面倒なので早めから準備を進めておくことが望ましいかと存じます(特に在校生とのアポとり)。また時差ボケでかなり辛くなることもあるので、到着は日曜日にするなど、時差に対応できるようなスケジューリングにするほうがベターです。また特に田舎の学校にビジットする場合、飛行機がプロペラ機となり、天候次第ですぐ欠航になったりするので要注意です(私も予定していたアメリカの国内便が欠航となり次の学校のクラスビジットができなくなりました)。

 

 

2. 推薦人

推薦状は基本的に2 つ必要となり、少なくとも1 人の推薦人については自身の現時点における直属の上司(Direct supervisor)とするよう指示する学校も多いです。社費の方は、社費という性質上、自社でMBA を生かして将来的にグローバルリーダーになる人材であるという推薦をしてもらうことからも、基本的には2 通とも社内の上席にお願いすることが望ましいと考えます。一般的には課長か部長にお願いするイメージだと思います。またMBA ホルダーや受験先の卒業生が上席である場合は、そういった方々にお願いすることも一案であると思います(他のMBA生と比較しても優秀である旨の推薦ができるため)。各学校の推薦状のフォームには、推薦人がMBA ホルダーかどうかやどの学校出身かを記載する場所があります。

 

推薦状は受験生が自身で書くことがほとんどだと思います。推薦状を自分で書くのは負担ではありますが、自分で内容を決められることから、エッセイでは触れていない自身のアピールポイントを推薦状で補っていくのが望ましいと思います。私はAnalytical やQuantitative といったM&A アドバイザーとしては当然の数字/分析系のスキルについては推薦状でアピールしました(エッセイに書いてもありきたりでつまらないので)。

 

進め方としては、まずエッセイでアピールしたいことを固め、その後推薦状でアピールしたい点について具体的なエピソードも含めて固め、その段階で当該素案を推薦人の方とご相談するのが望ましいと思料します。このあたりはカウンセラーの方ともご相談下さい。

 

なお推薦人の方に対してアドミッションからコンタクトされる可能性があるという記載がどの学校にもありますが、私の知る限り、そのような方は見たことがないので、英語が不得意な方を推薦人として選んでも問題はないと思われます。

 

 

3. フルブライト奨学金

MBA向けの数ある奨学金の中でも、フルブライト奨学金はとても有名であると思います。金銭面もありますが、世界各国のフルブライト奨学生とネットワーキングできることは非常に魅力的です。しかし一方で、かなり早い段階からフルブライト向けのエッセイ等(MBA出願用のエッセイとは毛色が違うエッセイ)に労力を割く必要があることから、フルブライト奨学生であることは学校に対してアピーリングではあるものの、スコアメイクに自信がない方はやめておいたほうが無難かもしれません(応募したからと言って必ずフルブライトに受かるわけではない)。

 

また奨学金は基本的には私費向けの制度と思われるかもしれませんが(私もそう思っていた)、近年は社費の受験生が当該奨学金を取得するケースも数多く見受けられます。

 

 

4. GPA

結論から申し上げると、過去の合格された方々を鑑みるに、そこまでGPA については気にしなくてもよいと思います(もちろん良いことに越したことはないですが)。理由としては、そもそも日本で公式にGPA を計算して成績表に記載している大学はなく学校側もそれを理解していること、また米国と日本とでは大学の成績の位置付けも異なりApple to apple での比較が困難なこと、等があげられます。

 

社費生で過去にGPA が3 を下回っていても、トップスクールに合格されている方は
数多くおりますし、GPA のビハインドは社費生として選ばれていることとGMAT スコアで十分にカバーできるものだと個人的には推察しております(2.5 を下回っている人は見たことがないのでその水準については不明)。ただカウンセラー情報では、HaasUCLA についてはGPA へのリクワイアメントがあるようだ、と聞いたことがあります(なお東大で2.9のGPA でもHaas に合格されている友人あり)。

 

 

5. 自習室

テスト対策やエッセイ作成等、長時間集中して作業する場合には、自宅ではなく自習室を利用することをおすすめします。一般論ですが、自宅だと受験準備以外の誘惑がたくさんあるので、限られた時間を効率的に使うために、勉強する環境を整えることはかなり重要になってきます。具体的には、アカデミーヒルズライブラリー(六本木ヒルズ、月1 万円でいつでも通い放題)や勉強カフェ(都内に複数あり)がおすすめで、家から近いところが望ましいと思います。この自習室に週末は基本的にひきこもるというライフスタイルが受験においては望ましいと思料します。

 

 

6. 参考となるWebサイト

受験準備を進めていく中で参考となるWeb サイトは以下の通りです。

 

GMAT の過去問に関する回答/解説が掲載されており重宝した。また学校ごとに掲示板が作成されておりそこからインタビュー通知/合格者が出たタイミングがわかるのもよい。学校によってはAdmission がアプリカントとチャットしたログも掲載されており、情報収集にはもっとも適したWeb サイト。

 

  • 各カウンセラー/予備校のWeb サイト

有名なカウンセラーのHPには彼らのアドバイスや学校ごとのデータ等が記載されており一度目を通しておくことを推奨する。特にAdam Markus とVinceRicci のHP がおすすめ。

Adam Markus - Graduate Admissions Guru

Vince Admissions

 

近年の日本人合格者の体験記。

 

 

7. 業務との両立

スコアメイクに四苦八苦しながら業務も通常通り対応するのは精神/肉体的にも想像以上にタフな生活になると思います。上司や周りがMBA 受験というものがどれほど大変なものか理解している場合はまだよいですが、そうでない場合は非常に辛い思いをする恐れがありますので、どれだけ大変なものかちゃんと共有することがまずは大事になってくるかと思います。


また上司と対立すると推薦状にも影響が出る恐れもありますし、労働環境も悪化する恐れがあるので、良好の関係を築きながらエクスポージャーを軽くしていくべく、日々のコミュニケーションをとっていくことが大切だと考えます(これもある意味、プロフェッショナルとして大切な「コミュニケーションスキル」の一つ)。具体的には定期的にランチ等で自身の現状について共有していくことも一案だと思います。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

MBA受験3(受験校選定)

 

1. 志望校の内訳

自身の夏におけるスコア状況、他の社費生の人数/状況、各人のリスクアペタイト等によってどの学校を自身の志望校とするかは、非常に個別性が強いものであることは理解しております。本ブログにおいては、トップスクールを目指す前提で、夏時点でTOEFL スコアを100 前後は確保している(2nd ラウンドまでに105 前後までスコアが上がる/GMAT680 以上であろうという自信がある)と仮定した場合のリコメンドについて述べたいと思います。

 

だいたいの受験生はエッセイの対応等から、一人当たり6 校程度を受験することが一般的で、これ以上の学校数を受験するとなると一校あたりの情報収集が薄くなる恐れがあります。この受験校6 校の内訳ですが、トップスクールを目指す一方で、社費の方の場合はどこにも受からないことは避けなければいけないと存じます。そのため、夏時点での志望校の想定は、ある程度バランスよく志望校を組み合わせること、具体的には、トップスクール2-3校、中堅校2-3 校、滑り止め1 校の計6 校が夏時点の初回の志望校選定においては望ましいと思料します。なおトップスクールや中堅校の定義については後述しておりますので、そちらをご参照ください。

 

なお1st ラウンドにて出願した場合、12 月中/下旬には合格発表が行われます。1st ラウンドで合格した場合には当該合格校よりも志望度の低い/ランキングの低い学校を自身の受験校から外し、より高いランキングの学校へと入れ替えることが2nd ラウンド前に可能となることから、最終的には受験枠6 校のうち、トップスクールの比重を高めることも可能となります。もちろん、2nd ラウンドまでの期間がタイトとなりエッセイ/推薦状準備が非常にタフになる点には留意が必要です。

 

MBA 受験においてはたとえスコアが揃っていたとしても、全てのトップスクールに受かるわけではないため、できる限り数多くのトップスクールを受験することが重要であると思料します。そのため、もし夏時点でTOEFL110 以上/GMAT700 以上を揃えており、英語のスピーキングにも自信がある候補生であれば、6 校のうち5 校をトップスクールで固めてしまうことも検討すべきだと存じます。

 

2. トップスクール/中堅校

グローバルにトップスクールと言われている学校は、主にM7 と呼ばれる米国の上位7 校(HBS/Stanford/Wharton/Columbia/MIT/Chicago/Kellogg)に欧州のLBS とINSEAD を加えたものだと認識しております(なおINSEAD は1 年制なので、事実上は8 校)。これはビジット先で会ったアメリカ人や中国人、インド人も同じような感覚を持っておりましたので、そこまで違和感のないものだと理解しています。

 

トップスクールに次ぐ中堅校の考え方としては、S16 と呼ばれている米国の学校群から、上記のM7 を除いた9 校(Haas/UCLA/Yale/Tuck/NYU/Duke/Darden/Cornell/Ross)を指すことがグローバルでは一般的のようです(なおHaas やTuck についてはブランド力の高さから日本においてはトップスクールという認識)。

 

前述した受験校6 校の内訳として、上記のトップスクール/中堅校から5 校、さらに下位校から滑り止めを1 校押さえておくのが望ましいと思料いたします。

 

3. 合格者数

近年、HBS やWharton が日本人の合格者数を以前よりも多めに出す傾向が強くなっており、最終的に各校10-15 名程度が入学する傾向となっております。またLBS やKellogg も毎年10-15 名程度が入学しており、これらのトップスクールだけで40-50 名程度の入学者が存在していると考えられます。

 

一方、いわゆる中堅校においては、その年度にもよりますが、各校数名(多くて5 名)程度の入学者となっております。これは中堅校が合格者数を絞っているということではなく(もちろんHBS やWharton は学校の規模が大きいという面もあるが)、複数校合格しているトップスクール合格者が合格辞退しているがためにこのような人数になっているものと推察されます。実際、MBA 受験でStrong candidate の三菱商事外資系コンサル、官僚等の受験生は、特段受験枠等の制限がないことから、6 校以上受験している人間もある程度いる状況で、ほとんどのトップスクール合格者が複数の中堅校の合格を辞退している形となっております。

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Source: Axiom 日本からのMBA留学生数の推移 | 外資系・MBAの転職・求人ならアクシアム|AXIOM

 

上記からお分かりの通り、中堅校とは言えど、競争相手はトップスクールに合格するような受験生であること、また一部のトップスクールは社費生を好んでいる部分もあることから私費のハイスコア組との戦いとなることもあり、そう簡単に合格することができるわけでない点に留意が必要です。


また近年、日本人受験者のスコアの平均点が上がってきている印象があるとAgosや濱口塾、Affinity や複数のカウンセラーも異口同音に口にしていることから、スコアへのプレッシャーはより厳しくなっている点にもご留意ください。

 

4. 社費生が受かりやすい/受かりにくい学校

社費での受験の場合、受験先を決めるに当たっては、まず過去において社費からの合格者が数多く出ている学校をリサーチし、特に自社への評価が高い/自社の社費生が受かりやすいと思われる学校に当たりをつけることが重要だと考えます。また合わせて、私費生よりも社費生を優先して取っていると思われる学校や、自身のバックグランド(金融等)出身者を避けていると思われる学校についても把握しておくことが、受験先を決定するに当たって肝要であると存じます。

 

  • 私見ではありますが、特にMITは社費を優遇している傾向(テストの点が平均より劣後していた場合でも合格する等)にあると思われます。NTTや野村證券大和証券からは毎年MITに一人は入学するという噂もあります。
  • Kelloggも大和証券が枠を持っているとの話も聞いたことがあります(アルムナイに大和証券出身者が非常に多いのもうなずける)。
  • またHBSやWhartonも三菱商事三井物産の受験生がよく入学してるとも聞きますが、これは社費という以上に彼らが非常に強い受験生(スコア、ユニークなエッセイ/バックグラウンド、GPA等)だという点も挙げられるかと思います。
  • Stanfordは非常に厳しく、近年は日本人はほぼ女性の帰国子女で、官費(官僚)か外資系コンサル(マッキンゼー)の社費がほとんどのように見受けられます。
  • 金融系の社費はアントレ思考の強いHaasではあまり見ないようです。
  • Columbiaはアーリーラウンドを重視しているので、スケジュールの観点から社費はトップスクールの中ではやや不利/少なめとも聞きます(社費は夏ごろに選ばれることが多いのでアーリーの9月に間に合わせるのはかなりタイト)。

 

私費と社費の受かりやすさについては、おって詳細を記載したいと思いますが、個人的には、社費の受験生はそもそも受験生が私費生よりも数が多く(実際に受験するまでに至っている数)、リアプリの選択肢がないので(ケツに火がついている状態)、実際にスコアをしっかりそろえ、先輩ネットワークから学校の情報取集をしっかりしており、エッセイのキャリアゴールもリーズナブルかつ現実的なので(社費なので戻る前提)、私費の方々よりも受かっている数が多くなっていると思います。

 

5. Safety School

私費での受験の場合、あまり滑り止めに行くという発想はないかと思いますので、ここでも社費での受験生にフォーカスします。

 

比較的アグレッシブな受験校選択をトップスクール/中堅校から行う場合には、滑り止めの学校をどこにするかは全落ちを避けるために極めて重要となります。Safety School(滑り止め)をどことすべきかについては、ランキングのみならず、ロケーション(都会vs 田舎、気候)、ご家族の意向、物価等を勘案したうえでご判断されることが望ましいとは存じますが、何よりも重要なのは社費生であれば多少スコアが劣後していたとしても合格させてくれる学校であるかどうか、だと思います。

 

このあたりの情報も過去の合格者数の推移を確認して判断することが望ましいと存じますが、社費生の間でよく言われているのは、EmoryはUSランキングで20前後と高い水準でありながら、日本人の社費生をかなり優遇(10 名以上入学、私費生はいない)しており、TOEFL100 以上/GMAT600 前半あれば受かる可能性がかなり高いとされ、アトランタという都会かつ温暖な地域に位置しており住みやすく個人的にも非常にお勧めする学校です。

 

 6. 受験校の変更

前述の通り、1st ラウンドで中堅校に合格することができれば、全落ちの危険はなくなるため最大限リスクを取って、当該合格校より志望度の低い学校をトップスクールに入れ替えることが、トップスクール合格を目指すに当たっては望ましいと存じます。

 

なお記載の通り、2nd ラウンドまでの期間がタイトとなりエッセイ/推薦状準備が非常にタフになる点にはご留意ください。おそらく年末年始はエッセイの対応に追われることになろうかと思います。

 

7. 米国以外の選択肢

本ブログはトップスクールを目指すための対策にフォーカスしていることから、米国の学校を中心に記載してきましたが、自身のGMAT スコアが米国の学校のmid80%レンジに届いていない場合には、米国以外の学校、トップスクールであればLBS を検討するというのも一案かと存じます。

 

LBS の特殊性/米国の学校との違いについては後述いたしますが、米国の学校は非常に点数至上主義(GMAT)だと感じており、欧州系の学校はGMAT が600 後半であっても(700 に達していなくとも)合格している受験生が一定程度存在しております。LBS については大多数が700over ではあるものの、600 後半の人間も少人数でありますが毎年存在しています(LBS の日本人公式ブログに過去の合格者のスコアが記載されています)。LBS はたとえGMAT が700 後半であっても不合格となり、600 後半の人が合格しているというケースが私の周りで散見されたことから、US に比べGMAT をそこまで重要視していない(英語での会話力やエッセイやインタビューのほうをUS よりも重視している)ように思われます。

 

これはUS News MBA Ranking という米国で最も古いかつ一般的な(最も参照されている)、米国の学校のみを対象としたMBA ランキングにおいて、GMAT スコアが学校のランキング/順位に多大な影響を与えているからだと言われております(米国以外の学校は当該ランキングの対象外)。

Best Business School Rankings | MBA Program Rankings | US News

 

また学校にもよりますが、大多数の学校はアドミッションではなく、アルムナイによるインタビューであることから、面接のプロではない日本人のアルムナイインタビューでのフィードバック結果をアドミッションオフィスがそこまで信用していないのではないか、という噂も聞きました(なお、一方でエッセイの量が数年前に比べ激減していることから、その分インタビューを重要視しているのではないかという噂もあり)。実際、Kellogg のインタビューにおいて、私の友人(社費)はスコアも揃っており、インタビューでも面接官である日本人アルムナイから絶賛され君が落ちるのはありえないとまで言わしめたものの、結果的ウエイトになってしまったという話もあります。

 

8. 最終的な受験校の絞り込み

前述した事項に加え、17 校あるトップスクール/中堅校からの絞り込みにあたり考慮すべき事項としては、他の社内の社費生の状況/志望先、近年の自社の社費生の合否状況、各校の強み(ファイナンスマーケティング、ジェネラルマネジメント、アントレ等)、ロケーション(都会vs 田舎、気候)、ご家族の意向、物価等だと思料します。

 

また自社から社費ではなく、私費という形で受験する方もいらっしゃるケースもあるので、その点についても確認しておくことが望ましいと存じます。

 

各学校は、多様性の観点から、同じ会社から複数人受験したとしても1 人しか合格させないのではないかという懸念も当初は持っておりましたが、少なくとも私の代は私の知る限り、HBSやWharton、LBS 、Columbia に同じ会社から複数人合格しておりますので、受験先がバッティングすることについてはそこまで懸念する必要はないのではないかと思います。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

MBA受験2(スケジュール)

1. スケジュール概要

各項目に進む前に、大まかにでもスケジュール感をつかんでおくと理解が早いと思いますので、私の受験プロセスの概略を以下に記載しております。

 

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2. スコアメイク

TOEFL は留学候補生に選ばれる2 年ほど前から対策を始め(私は社費での受験です)、3 月頭ごろにスコアが出るまで30 回近く受験しました(最初のスコアは50 点)。このTOEFL に目途がついたタイミングからGMAT 対策に移行しました。TOEFL は110 点を目指し3 月以降も2nd ラウンドまでとりあえず毎月ひたすら受け続けましたが結局3 月のスコアを超えることはできませんでした。GMAT はスコアメイクに苦しみ、6 月の初受験含め1st ラウンドまでに3 回、そして2nd ラウンドまでに残り2 回の計5 回受験しました。

 

3. キャンパスビジット

キャンパスビジットは、7 月の受験校決めの参考とするために4 月頭に1 回、1st/2nd ラウンドのアプリケーション提出後にそれぞれ学校へのアピールのために1 回ずつの計3 回実施しました。具体的なビジットのタイミング/内容については今後記載する予定です。

 

4. エッセイ/推薦状

MBA受験、特にトップスクールを日本人が受験する場合、MBA受験カウンセラーを雇うことが一般的です(非常に高額ですが)。これは受験校決定やスコアメイク、スケジュール等の全般的事項はもちろん、エッセイや推薦状、インタビューの準備について助言をもらうためです。有名なカウンセラーは限られておりますので、早めにリテインしておかないと対応してもらえないことがある点には留意が必要です。私は4 月に数多くのカウンセラーとコンタクトし、メインカウンセラーをJessica King、サブとしてクライアントが多く情報をたくさん持っているEd Lee にお願いしました。4 月からはGMAT 対策を主軸としつつも、留学の軌跡やEd の説明会、Jessica とのカウンセリングを参考に5 月までの約2 ヶ月でレジュメやキャリアゴールについて固めました(キャリアゴールがアプリケーションの鍵となるのでそこにまずは注力)。その後はGMAT 対策に集中し、7 月下旬ごろからエッセイと推薦状についても作成を開始しました。

 

5. インタビュー

GMAT 対策とエッセイ/推薦状対応で時間を割くことができず、インタビューの準備を始めたのは1st ラウンド提出後の10 月中旬ごろです。実際のインタビュー日まで約1 ヶ月程度ありましたので、それまでに数多くのカウンセラーとモックインタビュー等を行いました。各学校のインタビューにおける想定質問はEd から数多くもらいました。各カウンセラーへのコメントについてはおって記載する予定です。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー