Simple and Clean

このブログは、いわゆるドメな日本人がMBAトップスクールに入るためにはどうすべきか、 という観点にフォーカスしており、私の経験/集めた情報をまとめたものです

Table of contents

このブログは、いわゆるドメな日本人がMBAのトップスクールに入るためにはどうすべきか、という観点にフォーカスしており、私の経験/集めた情報をまとめたものです。私も諸先輩方のブログに非常に勇気づけられました。当ブログが微力ながらも受験生の皆様の一助になれば幸いです。

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー

 

London Business School 

LBSを受験するにあたって 

 

 

精神/肉体的に非常にタフな期間になろうかと存じますが、悔いのないMBA 受験にして下さい。

 

本書の記載はあくまでも私見であり、必ずしも正しいわけではないことにご留意頂ければと存じます。学校の状況等は絶えず変わりますので、あくまでもご参考としてお考えいただければ幸いです。

 

ファイナンス1(資本構成)

ファイナンス1(Capital structure)

 

最適な資本構成は、

① デット比率を高めることによるタックスメリットと破綻懸念コスト(破綻コスト×破綻確率)の中間で決まるというトレードオフ理論

② 「経営陣と投資家との対象企業に関連する情報の非対称性に起因する外部からの資金調達に関するコスト」が小さい資金調達手段/当該情報の非対称性が与える影響が小さい(投資家にとってのリスクが小さい)資金調達手段から利用するというペッキングオーダー理論

(いま経営陣が外部から資金を調達したいと言い出したということは、きっと今は「経営陣の思う自社の企業価値」が「マーケット(外部)からの評価(株価やクレジットスコア等)」よりも低い/過大評価されているからだろう、という投資家の判断により、対象企業の評価が下がり、結果として現状より低い評価水準をベースに外部からの資金調達を行うこととなってしまう)

という2つの考え方がある。

 

Modigliani-Miller Theorem

  • 企業価値は資本構成に影響を受けない
  • 企業価値はリアルアセットとgrowth opportunitiesで決まるのであって、発行する証券(株、債券、メザニン)の種類から影響を受けない
  • Financial decisions(資金調達に関する意思決定)は企業価値とは無関係

VL=VU=EL+DL

 

Finance transactionそのものは投資金額と得られるCFの現在価値が同じ、つまりNPVがゼロのトランザクションであると考えられることから(アービトラージがないということ)、どれだけ資本取引を増やそうとも減らそうとも企業価値への影響はないということ。

もしある資本構成のほうが他の資本構成よりもバリューが高いということになれば、投資家は前者のバリューの高い資本構成の会社を売って、後者のバリューの低い資本構成の会社を買う。その結果、アービトラージが働いて、両者での差はなくなる(アービトラージのオポチュニティがあるということは、同価値にもかかわらず価値に差がある状態であり、ミスプライシングであるということ)。

 

デットのほうがより安全なので、もし全体に占めるデットの割合を増やしたら(エクイティの割合を減らしたら)、企業のオーバーオールの調達コストは下がるのではないか?

➡ No:デットの割合が増えることで、破綻懸念コストが上がり、エクイティがよりリスキーになることから、エクイティコストが上がる。よって、デットの割合を増やすことによる調達コストの低減効果は、エクイティコストの増分だけオフセットされ、結果、企業の調達コストは変わらない。デットを増やすことは企業のアセットのリスクには影響を与えないが、エクイティのリスクには影響を与える。

 

Assumptions of Modigliani-Miller Theorem

  1. タックスおよび倒産コストはない ➡ Trade-off Theory
  2. 投資活動は資本構成によって影響を受けない ➡ デットホルダーとエクイティホルダーとの利益相反
  3. エージェンシーコストはない(経営者は株式価値の最大化を目指す) ➡ デットホルダーとエクイティホルダーとの利益相反、マネジメントと投資家との利益相反
  4. 情報の非対称性はない(投資家は経営陣と同じ情報を持っている)
  5. 効率的マーケット(取引コスト(株の売買手数料等)はなし、代替する企業が存在する完全市場)

 

MM理論の利点 

資本構成の違い(もしくはfinancialに関する意思決定)によって企業価値に影響が出ている場合には、これらのアサンプションのどれに問題があるか、どのアサンプションにどれだけのインパクトがあるかを確認する。このアサンプションからの離れ度合いで、最適な資本構成を考えたり、新しい手段を用いてこのアサンプションからの離れ具合を利用することを考える。

 

 

The Trade-off Theory

タックスメリット(Tax shield)と破綻懸念コスト(Expected cost of financial distress)とのトレードオフ(負債に伴うメリットとデメリットのトレードオフ)。

資本構成を考えるにあたり、どこまでデットを積むか、を決める要因。

 

f:id:Wilkinson:20170804001253p:plain

 VL=VU+PV(Tax shield)-PV(Expected costs of financial distress)

タックシールドの曲線が直線ではないのは、大量の支払利息発生による欠損金利用にも限界があるから。

 

破綻懸念コストとタックスメリット、それぞれのマージナルコスト(一単位当たりのコスト)とマージナルベネフィット(一単位当たりのベネフィット)がイコールになるレバレッジ比率が、オプティマル資本構成と言える(デットを一単位動かしたときのそれぞれのコストおよびベネフィットの変化が同じになるポイント)。

 

(NOPBT-rD*Debt)*(1-tax rate)+rD*Debt = NOPBT*(1-tax rate)+tax rate*rD*Debt (=tax shield)

このタックスシールドの計算は、(Tax rate*rD*Debt)/(rD)=Tax*Debt

Debtの金額がfixしているときはデットの割引率はデットコスト、全体に占めるDebtの比率がfixしている場合(リバランス)はデットの割引率はWACC(rA)

 

Expected cost of financial distress (破綻懸念コスト)= Probability of Distress * Distress cost

破綻コスト(Distress cost)は、直接と間接費用がある。

直接費用は、倒産に伴う裁判や管理に関するリーガル費用、倒産に対処するために使われるマネジメントのリソースと時間、破綻時における資産の投げ売り(fire sale)に関するコスト。

間接費用は、破綻の可能性が出てきた時に顧客が製品の購入をやめたり、取引先が商品の納入を渋ったり、資金調達ができないため優良な投資案件を見送ったり、というように会社の利益やキャッシュフローを減少させる間接的なコスト。加えて、Wealth transferやRisk shifting、Debt overhangといった倒産懸念時に発生する株主と債権者との間の利益相反も間接的なコスト。

 

レバレッジを高める(破綻懸念コストを下げる):企業規模、固定資産、資産のtangibility

レバレッジを弱める(破綻懸念コストを上げる):収益のボラティリティ、広告費用、研究開発費、倒産確率

 

 

Agency Issues

A. デットホルダーとエクイティホルダーとの利益相反

デットホルダーとエクイティホルダーには利益相反がある(リスクアペタイトの違い等)。なぜならエクイティホルダーは企業のコールオプション保有していることと同義であるが、デットホルダーは企業のアセットオーナーかつコールオプションの売り手と同義であり、それぞれで違うオプションを持っているから。

 

f:id:Wilkinson:20170804001734p:plain

f:id:Wilkinson:20170804001700p:plain

 

3つのデットホルダーとエクイティホルダーとの利益相反(いずれも企業が破綻する際に問題となる事項で、破綻懸念が全くないときはこれらの問題は生じない ➡ よってこれらは間接的な破綻コスト(indirect costs of financial distress))

  1. Wealth Transfer from debtholders to shareholders (“Cashing out”)
  2. Risk shifting (Asset substitution):エクイティホルダーはよりリスクを好む
  3. Debt overhang (Underinvestment problem)

 

Wealth transfer

既存デットと同条件のデットで新規調達してリキャップした場合(新規デットを原資に自己株買い)、発行体が倒産してしまう場合には、新規デットのバリュー/時価は額面より低くなり、結果として既存デットのバリューも新規デットのバリューと同じになり(倒産時の残存価値を2つに分けるイメージ)、額面よりも低い価値となる。その既存デットのバリューの減価分が、自己株買いを通じてエクイティホルダーへ流出する。つまり、追加でのデット調達が既存のデットホルダーの利益をダイリュートし、そのダイリュート分がエクイティホルダーに流出する。

 

Risk shifting(倒産時にデットホルダーも全額回収できない場合)

企業が倒産するときは、デットホルダーが先に徴収し、エクイティホルダーがいくら入るかわからないので、エクイティホルダーはCFがよりボラタイルなものを好む。もし倒産してデットホルダーも全額回収できない場合はエクイティホルダーに入る金はゼロ。よって、そのような倒産をする可能性がある場合には、エクイティホルダーはアップサイドしか受け取れないので、リスクの高いプロジェクト(NPVがマイナスだとしても成功すればプラスが大きいギャンブル性の高いもの)を実施しようとする。しかし、デットホルダーとしてはNPVがマイナスのものに投資をされてしまうと回収できるものが減ってしまう可能性が高いので嫌がる。

 

Debt overhang(倒産時にデットホルダーも全額回収できない場合)

倒産しかかっているときに、たとえNPVがポジティブなPJがあったとしてもエクイティで追加調達しない(エクイティホルダーは投資しない)。なぜならそのPJで稼いだCFはデットホルダーに行ってしまうから(既存デットの返済にまわる、エクイティホルダーの資金で投資したのにエクイティホルダーはその利益を享受できない)。この理由から、デットを使わないと主張するグロースカンパニーもいる。またこの理由から倒産時においてはDIPファイナンスが行われる。

 

B. マネジメントと投資家との利益相反

モリジアーニミラー理論では、マネジメントは株主価値最大化(投資家の価値を最大化)をすることを前提としていたが、実際としては、マネジメントのインタレストは投資家のインタレストとは異なる可能性がある。この違いがマネジメントと投資家との利益相反につながる。

 

  • マネジメントが努力を怠る
  • マネジメントがリスクを取らなくなる(静かな生活を)
  • フリーキャッシュフロー問題(負のNPVのPJへの投資)

 

そのためにコーポレートガバナンスをきかせる。

  • モニタリング(取締役+銀行によるモニタリング)
  • 経営陣のインセンティブ設計(大部分の報酬を株価連動(SOやボーナス、自社株投資)) ➡ マネジメントと株主のインタレストを同じに。ただし、短期的な株価パフォーマンスを追求しがちになるリスクあり
  • デットもしくは配当の活用によるフリーキャッシュフロー問題の回避(投資家に対して余剰キャッシュを吐き出させる)、またレバレッジ比率を高めることによるエクイティ(時価総額)の縮小により持ち分比率の高い株主が生まれ、議決権を多く持つ株主によりモニタリングが厳しくなる(また経営陣の持ち分比率も上がることでマネジメント自身のインセンティブ強化につながる)

 

f:id:Wilkinson:20170804002201p:plain

 

 

Information Asymmetry

MM理論は経営陣と投資家との間で情報の非対称性はないという前提に立っているが、実際にはマネジメントはインサイダー情報含め、投資家よりも自社に関しての情報を抱えている。

そのため、マネジメントによって決定された資本構成(キャピタルストラクチャー)は、投資家/マーケットに対してのシグナリング効果を持つことになる(レバレッジ比率を高めることや自己株買い(現在の株価は割安)はポジティブ、株の新規発行(現在の株価は割高)はネガティブなシグナル)。

またこの情報の非対称性はペッキングオーダー理論につながる。

 

ペッキングオーダー理論

情報の非対称性が大きいほど、情報の非対称性に由来する逆選択の費用/Cost of external finance(新株発行というネガティブなシグナリングにより、自社が過大評価されているとマーケットが勘違いした結果、自社の評価が下がり、不当に低い価格での新規増資となり、既存の株主の持ち分は大きくダイリュートし、たとえ調達が正のNPVのPJに使われたとしても、既存株主の利益は資金調達せず投資をしなかったときに比べても小さくなる、この既存株主の利益の減少額がCost of external finance)が大きくなる。

情報の非対称性が大きいほど、新たに資金調達するときに、発行体は自身の価値がオーバーバリューされていると感じているのでは?という疑惑が高まる。そのため、発行体は投資家からいわれなき逆選択によるコストの発生(Adverse selection、銀行との取引では発行体との協議によりこの逆選択を弱めることができる)、自社の現在のマーケットからの評価額が実際の価値よりも高くなっている/過大評価されているといういわれなき誤解を避けるために、経営陣と投資家との情報の非対称性が小さい、ないし情報の非対称性が与える影響が少ないファイナンス手段から利用することになる(ファイナンスはするのだけども自社の現在の評価は決して過大評価されているものではないという主張)。

情報の非対称性にセンシティブな資金調達手段ほど、このCost of external financeが増加する。よって企業はCost of external financeの小さい、投資家と経営陣との情報の非対称性による価値への影響度合いが小さい(less sensitive to asymmetric information)資金調達手段から利用する。よりシニア(返済順位が高いので返ってこないリスクがほかよりも小さい)、短いマチュリティ(短期での貸し付けなので長期債務よりも返ってこないリスクが小さい)、担保条件が良い(デフォルトしても担保で回収できるので返ってこないリスクが小さい)、informed providers of capitalに買われている、資金調達手段はこのコストが低下する。

 

よってペッキングオーダー理論から、外部からの資金調達を必要としないような高い利益を計上している企業は、Cost of external financeを小さくするために新規の外部からの資金調達を行わず、情報の非対称性の問題のない、逆選択の費用を伴わない利益剰余金(利益剰余に伴う手元Cashの意)を使うこととなり、結果、資本が利益で積みあがることによりレバレッジ比率が小さくなる。

 

書籍1(ワークシフト)

WORK SHIFT

自身の今後の生活を考える上で、今後の世界の変化/未来を想像して、自身の幸せ(所得の最大化とは限らず)を理解し、自身の望むキャリアがいったい何なのかを整理したいと思い、このワークシフトという本を買ってみました。

 

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

 

 

読んでみて、総じて自身がもともと持っていた考えと近い主張が展開されており、違和感なく読むことができました。特に、「ゼネラリストではなくスペシャリストへ」というところです。具体的には、一つの企業の中でしか通用しない技能ではなく、自身が興味を抱ける分野で高度な専門技能を磨き、自身を差別化する(自分ブランドを築く)、という点。

だいぶ昔の話ですが、大学卒業時に自身がキャリアで重要視していたこととしては、業務への興味以外に、自身が務める会社に依存しないプロフェッショナル/マーケットから評価される一人前のプレーヤーになることを目指していたのだったと、改めて再確認できました。

 

少し話は違いますが、よく「自分は細かいところを突き詰めていくタイプではないので、スペシャリストではなく、そういったプロフェッショナル/スペシャリストをマネジメントする(モチベートしてチームのバリューを最大化する)ような人材になりたい」といった話をされる方もいるのですが、個人的には、そういったタイプの上席/マネージャーを部下/同僚として尊敬できるかと言ったら微妙なところだなと思っていました。

チームメンバーをモチベートするとか限られた人的リソースを上手く使いこなすといったコミュニケーション能力は重要だとは思う一方、業種にもよると思いますが、ある一分野のスペシャリストにもなりきれない人間(一分野の追及をあきらめた人間)がそんなことをできるのか、またその分野のスペシャリストだからこそチームの問題点もわかる気がしますし、何よりあまり詳しくない人から指示されることこそモチベーションの低下を招く気がします(超大規模なチームを率いる等であればまた話が変わってくるのかもしれませんが)。

 

また合わせて、今後の世界の五大変化(テクノロジーの進化、グローバル化の進展(トランプがUSファーストとは言っているものの太宗の流れは変わらずか)、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化)について、改めて整理できた気がします。

 

 

 

 

WORK SHIFT

未来に押しつぶされない職業生活を気付くためにシフトすべき3つの従来の固定観念・常識

 

1. First shiftジェネラリストではなく複数分野におけるスペシャリストへ

A. Summary

  • ジェネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直す
  • 広く浅い知識しかもたないジェネラリストから、いくつかの分野について高度な専門技能を備えたスペシャリストへのシフト
    • 一つの企業の中でしか通用しない技能ではない
    • 高度な専門技能を磨く(自分が興味を抱ける分野で)
    • 自分を差別化するために自分ブランドを築くこと

 

専門技能の連続的習得

来の世界でニーズが高りそうなジャンルと職種を選び、浅い知識や技ではなく、高度な専門知識と技能を身につける(知的資本(知識と知的思考力)の拡充)

その後も必要に応じて、ほかの分野の専門知識と技能の習得を続ける

 

セルフマーケティング

自分の能力を取引先等に納得させる材料を確立する

 

キャリア選択の流れ

① ある技能がほかの技能より高い価値を持つのはどういう場合か

  • その技能が価値を生み出すことが広く理解されていること
  • その技能の持ち主が少なく、技能に対する需要が供給を上回っていること
  • その技能が他の人に模倣されにくく、機械によっても代用されにくいこと
  • 需要が供給よりも多い
  • 新規参入+模倣・代替が難しい
  • マクロでのプラス(政府とかテクノロジーとか)
  • 価格交渉力(バーゲニングパワー)

② 未来の世界で具体的にどういう技能が価値を持つか予測する

③ 未来に価値を持ちそうな技能を念頭に置きつつ、自分の好きなことを職業に選ぶ

④ その分野で専門技能に徹底的に磨きをかける

⑤ ある分野に習熟した後も、移行と脱皮を繰り返して他の分野に転身する覚悟を持ち続ける

 

B. Note 

  • 健康寿命の増加 ➡ 興奮と刺激を味わえる仕事を見つける ➡ 自分で新しいビジネスを始めるチャンスの拡大(大企業への長期奉仕ではなく) ➡ 上達できそうな専門技能や能力を見つける必要性(大企業において使える専門技能や能力ではなく、個人単位で発揮できるような能力だとベターか)
  • イノベーションは多様性のある環境から生まれやすい ➡ 違う国籍の人と働くことへの慣れ(コツをつかむ)
  • インターネットの発達(世界50億人がつながる世界) ➡ 浅い情報の取得が容易に(Wikipedia、各種文献) ➡ 広く浅くの知識のバリューの低下 ➡ ジェネラリストではなくスペシャリストのニーズ
  •  グローバル化の進展+テクノロジーの進化 ➡ 貴方と同種の知識や技能を持っていて貴方より早く安く上手く同種の仕事を行える人が世界中に何千・百万人 ➡ その他大勢からの自らの差別化 ➡ そのために時間と労力を費やし専門分野の知識と技能を高める必要あり(熟練の技を磨き上げる必要あり、複数の分野の掛け算で差別化
  • 職業人生の長期化 ➡ 自身の専門分野が時代遅れ・価値がなくなった場合 ➡ 関連分野への移動や脱皮、あるいは別の分野への飛び移りが必要 ➡ いくつかの専門技能を連続的に習得していかねばならない
  •  ジェネラリストの利点は浅く広い知識や技能 ➡ 身に着けた技能のうちいくつかが価値を失ってもダメージは限られていた ➡ 未来の世界では浅い知識や技能では用をなさなくなる ➡ 未来を形作る要因を土台に、どの分野で専門技能を磨くかを選択しなくてはならない ➡ どういう技能が高い価値を持つかを予測しどうすればそれを習得できるかを理解する必要あり
  •  ジェネラリストが管理職 ➡ 社員がその会社でしか通用しない技能や知識に磨きをかけるのと引き換えに会社が終身雇用を保証するという契約 ➡ 職業人生の大半を一つの会社もしくは業界で働き続け、いわゆる会社人間 ➡ おかげで自身の会社を熟知しいつでもどこでも会社の代弁者になれた ➡ 会社の上層部と接点を持つことにより、自社の文化や精神を理解し、会社のトップに代わって様々な決断を下せた ➡ 管理職たちは会社の外で役にたつ高度な専門技能や知識を持っていない場合もあった(フォード管理職に必要とされる知識や人脈はフォード特有のもの) ➡ しかし会社が生涯にわたって働く場を保証してくれたのでそれでも支障はなかった
  •  問題は旧来の終身雇用の契約が崩れ始めた ➡ ジェネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されるケースが増えている+定年以降にできることがない一社限定の知識や人脈と広く浅い技能を持っていても大した役に立たない
  •  インターネットから浅く広い知識は収集可能 ➡ 競い相手は同僚やインド企業だけでなく、WikipediaGoogle analyticsなどのテクノロジーの数々 ➡ 長い時間をかけて築いた人脈も昔ほどの価値を持たないリンクトインfacebookなどのSNSを利用すれば誰でも世界的に人的ネットワークを広げられる時代)
  •  複数の専門分野の技能と知識を深める+ほかの専門家の高度な技能を生かすために人的ネットワークを構築すること(人的ネットワークの構築についてはセカンドシフト)

 

 C. M&Aアドバイザリー業務に関して

  • 昔は情報の非対称性にバリューあり、しかしM&Aナレッジのコモディティ化、社内M&A部隊の内製
  • 弁護士や会計士に比べて高いフィーを正当化する理由は、ファイナンス/為替等の複合化以外だとネットワーキング力(相手企業、キーマンとのつなぎ)
  • 正当化できるのはネットワーキング(特に海外のシニアへのコネクション)
  • M&Aアドバイザリーだけではなく、ファイナンス+為替+エクイティデリバといった証券会社プラットフォームの利用(ブティックにはできないこと)➡なぜブティックが台頭?中小へのフォーカス?メジャープレーヤーの移籍?
  • 会社の看板・ネットワークがなくなった時の個人のバリューは?
  • リピートオーダーの頻度(M&Aの頻度はそこまで多くない)
  • PMIへのノータッチ(M&Aで成功のカギともいわれる一番の重要箇所なのに)
  • 単なる買収価格をジャスティファイするだけの役割、算定機関としての価値
  • 他社との差別化の難しさ
  • 主幹事であることの政治的弊害(安くM&A、高いファイナンス、セルサイドにつけない)
  • 毎年の案件獲得(ストックではなくフロービジネスのため)
  • ピッチにおけるカバレッジとエグゼキューションの役割/責任の不明瞭
  • ランクバリューへのこだわり
  • フィー体系とクライアント株価とのインセンティブなし
  • 残業規制、若手の能力・モチベ低下、中堅への負担のしわ寄せ
  • 働き方(長時間労働)、家族との時間を犠牲
  • アップサイドの限定による優秀層の低下(新卒/中途人気の低下)
  • インサイダー取引への規制、株式投資機会の喪失
  • M&A押し売りといった揶揄
  • 達成可能性の極めて低い予算設定+政治的案件の確保(安いフィーで)
  • RORAベースではなく絶対値での収益貢献
  • 資本や人も提供できず知恵のみ
  • 辞めることの裏切り感の醸成
  • 採用への力の注ぎ具合
  • 曖昧なボーナス評価
  • 尊敬できるプレーヤーの少なさ(辞めていく)

 

 

2. Second shift3種類の人的ネットワークの構築

  • キャリアを成功させる土台が、個人主義と競争原理であるという常識を問い直す
  • 孤独に競い合う生き方から、他の人と関わり協力し合う生き方へのシフト

 

人間関係資本(人的ネットワークの強さと幅広さ)の拡充を図る

 

孤独に競争するのではなく、他の人たちと繋がりあってイノベーションを成し遂げることを目指す姿勢に転換する必要あり

 

これらネットワークの意識的な構築の必要性

① 難しい課題に取り組む上で頼りになる少人数の盟友グループ

イノベーションの源泉となるバラエティにとんだ大勢の知り合いのネットワーク

③ ストレスを和らげるための打算のない友人関係

 

 

3. Third shift所得と消費を中核とする働き方からの卒業

  • どういう職業人生が幸せかという常識を問い直す
  • 大量消費を志向するライフスタイルから、意義と経験を重んじるバランスのとれたライフスタイルへのシフト

 

情緒的資本(自分自身への理解、自身の行う選択について深く考える力、勇気ある行動をとるために欠かせない強靭な精神をはぐくむ能力)の拡充を図る

 

家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方への転換(大量消費主義ではなく)

代償(プロコン)を認識したうえで、人生のバランスを重んじる姿勢に転換することが幸せか

 

 

今後の5大変化

➡ 働き方の常識が覆る ➡ 自身の未来ストーリーを描き出す(捨てる・肉付け・足りないもの・再分類・図柄の見出し)

  • テクノロジーの進化
    • テクノロジーの飛躍的発展(PC/携帯端末コストの低減により)
    • 世界50億人がインターネットで結ばれる(都市部だけでなく農村部でも)
    • どこでもクラウドを利用できる(最先端のテクノロジーが世界の隅々へ)
    • 生産性が向上し続ける(コストがほぼかからないコミュニケーション技術)
    • ソーシャルな参加が活発に(群衆の知恵)
    • 知識のデジタル化(正規の学校教育を受けられない人にはとてもプラス)
    • メガ企業とミニ起業家が台頭(グローバルでやりやすく+テクノロジーで簡単に)
    • バーチャル空間で働くことが当たり前に(世界中の人達と連絡を取り合いながら)
    • 人工知能アシスタントの普及(膨大な情報の整理、課題の優先順位判断)
    • テクノロジーが人間の労働者にとって代わる(ロボットによる生産性向上)
  • グローバル化の進展
    • 24時間休まないグローバルな世界の出現(世界が一つに結びつき)
    • 新興国の台頭(旺盛な輸出意欲を持つ新興国が交際貿易の勢力図を塗り替え)
    • 中国とインドの目覚ましい経済発展国内の巨大市場+世界の工場/back office
    • 倹約型イノベーション(途上国でのコストなしのイノベーション、先進国への輸出)
    • 新たな人材輩出大国(インドと中国で26億人+理系重視の教育)
    • 世界中での都市化進行(都市部への人口流入、有能人材の集中)
    • バブルの形成と崩壊(消費を減らし貯蓄を増やす必要性)
    • 世界の様々な地域に貧困層出現(専門技能なし+高齢者向けのニーズ×➡貧困)
  • 人口構成の変化と長寿化
    • Y世代の影響力の拡大(ワークライフバランス、業務の面白さ➡仕事・組織変革へ)
    • 健康寿命の伸長(60歳を過ぎても働き続ける人が大幅に増える)
    • ベビーブーム世代の一部が貧しい老後を迎える(高齢者の働き口の確保が困難)
    • 国境を越えた移住が活発に(ケアや支援のために途上国から先進国へ)
  • 社会の変化
    • 家族の在り方の変化(家族の規模縮小、離婚・再婚+養子縁組といった多様化)
    • 自身の見つめ直し(家族・職場の人の多様化➡自分にとって何が大切か)
    • 女性の力が強くなる(マネジメント層の変化、家庭での男女関係の変化)
    • バランス重視の生き方を選ぶ男が増える(自分の父親を反面教師に、家族重視へ)
    • 大企業や政府に対する不信感増
    • 幸福感の低減(逓減)
    • 余暇時間の増加(作業の効率化➡テレビに充てられている)
  • エネルギー・環境問題の深刻化
    • エネルギー価格の上昇(資源枯渇+中国/インドでの需要増➡人/物の移動を減らす)
    • 自然災害による住居×(地球温暖化➡海水面の上昇、熱波・干ばつ)
    • 持続可能性を重んじる文化の醸成(エネルギー効率、贅沢な消費への歯止め)

マクロ経済2(金融政策)

 

マクロ経済2(金融政策)

2. Monetary policy

 

中央銀行は、ビジネスサイクルのブレを抑える(ビジネスサイクルをスムースにする)ために、金融政策(monetary policy)を使い、物価の安定(price stability)と就業率の向上(full employment、リアルGDPが上がってOutputギャップがポジティブになれば就業率は上がる)を図る

 

 

A. 金融政策(Monetary policy)とは

金融政策とは、短期金利の調整と量的緩和フォワードガイダンスを使って、中央銀行の目的である物価の安定と就業率の向上を達成すること。

  • Conventional Monetary policy

短期金利の調整(Short-term interest rates)

  • Unconventional Monetary policy:ゼロ金利時(Zero lower bound)において使用される

量的緩和(Quantitative easing)

中央銀行による国債の売買を通じたマネーサプライの調整

フォワードガイダンス(Forward guidance)

将来における政策金利短期金利)をアナウンス/コミット(ロングタームの金利をターゲット)

 

 

 

B. 金融政策(Monetary policy)によるインパク

前述の通り、金融政策を通じた短期金利、マネーサプライの変動は、Demand shocks(総需要曲線のシフト)を引き起こす

 

Aggregate Demand (YD) = Consumption + Investment + Government + (Export-Import)

  • 短期金利(Short-term interest rates)の切り下げにより、企業や消費者、政府の調達コスト/実質金利(cost of borrowing)を低下させることで、総需要の構成要素であるConsumptionやInvestment、Governmentを増加させる。
  • 量的緩和(Quantitative easing)によるマネーサプライの増加により、総需要の構成要素であるConsumptionやInvestment、Governmentを増加させる。

 

金融政策は、Demand shocksによるビジネスサイクルの変動には対応できる(金融政策の目的である物価安定と雇用の拡大を達成できる)が、Supply shocksによるビジネスサイクルの変動には対応できない(金融政策の目的である物価安定と雇用の拡大を達成できない)

※Output gapがポジティブなときは失業率は低下するという負の相関関係にある。

 

  • Demand shocksによるビジネスサイクルの変動

金融政策は短期的には効果がある(短期的には金融政策の目的である物価安定と雇用の拡大/GDP拡大を達成できる)が、長期的には影響を与えられない(長期的には金融政策は物価にしか影響を与えられず雇用の拡大/GDP拡大には影響を与えられない)

 

前述の通り、長期的には(1ビジネスサイクルの変動が完了する約10年以内のタイムスパン)、供給量は、あるTFPの水準で経済全体の設備と労働力をフル稼働させたときの限界値/フルキャパシティに収束する(設備と従業員を残業を強いたりフル稼働以上に稼働させることは短期的には可能だが、長期的にその限界以上の水準を維持することはできない)。そのようなこれ以上供給量を増やすことができない状態においてさらなる需要の増加があった場合(需要曲線が右シフトした場合)、供給量は増やせないので需要を抑えるために価格を上げることとなる。つまり、金融政策は長期的にはリアルGDP(Output)/雇用の拡大には影響を与えられず、物価の上昇/インフレを招くのみとなる。

 

f:id:Wilkinson:20170801091843p:plain

f:id:Wilkinson:20170801090011j:plain

 

また短期的にも、その時の経済状況次第で(好景気が不景気かで)、物価とOutput(リアルGDP)に与える金融政策の影響度合いは変わってくる

 

不景気時においては、実質GDP(ここでは実際の供給量/Output)がポテンシャルGDP(フル稼働時の供給量、最大値)よりも低いときは、前述の通りOutput gapがネガティブであり(デフレギャップ、不況時)、設備や労働力には空きがある状況である(稼働していない設備や時間が余っている従業員)。そのため、そのような供給過剰な状態で金融政策により需要が増加した時には、既存の使用していなかった設備や労働力を稼働させることで対応できるので、新たなコストはほとんどかからず(マージナルコストはほとんど上昇せず)、物価上昇なし(もしくは微増)でOutput(生産高、ないし実質GDP)を大きく高めることができる。

f:id:Wilkinson:20170801091932p:plain

  

好況時においては、上述の不況時とは異なり、稼働していなかった設備や労働力は減少していき、さらなる設備投資による設備増強や人員増強が必要となっていき、加えて好況時にはコモディティの価格も高くなることから、新しく一単位当たりの生産高を増やすためのコスト(マージナルコスト)が増加し始め、供給量を増やすとともに物価も上昇していく。これにより、総供給曲線はフラットから右上がりの曲線へと変化する。そのため、金融政策により需要が増加することで、Output(生産高、ないし実質GDP)も増加はするが、それ以上に物価が大きく上昇することとなる。

f:id:Wilkinson:20170801092022p:plain

 

また金融政策はDemand shocksを引き起こすものであることから、需要変動による不況(Demand-driven recessions、消費者や投資家の需要減による不況)が起きている場合には簡単に金融政策の影響を相殺されてしまう。

 

  • Supply shocksによるビジネスサイクルの変動

短期金利調整/量的緩和によりDemand shocksを引き起こす金融政策は、前述の通り、Demand shocksによるビジネスサイクルの変動をスムースにすることは可能である(金融政策の目的である物価安定と雇用の拡大を達成できる)が、Supply shocksによるビジネスサイクルの変動には対応できない(金融政策の目的である物価安定と雇用の拡大を達成できない)。

 

ネガティブなSupply shocksによってスタグフレーションに陥った場合、金融政策はDemand shocksを引き起こすものであることから、金利引き下げ/量的緩和によって総需要を拡大させる(需要曲線を右シフトさせてしまう)と、Output(リアルGDP、総産出量)の減少には歯止めをかけることができる(失業率の縮小は可能)が、物価水準が上がってインフレがさらに加速してしまう。

逆に金融引き締め/金利引き下げによって総需要を減らす(需要曲線を左シフトさせてしまう)と、インフレは抑えられるがOutput(リアルGDP、総産出量)がさらに落ち込む(失業率が拡大する)こととなってしまう。

 

よってSupply shocksによるビジネスサイクルの変動に対して、金融政策による需要変化(Demand shocks)を与えたとしても、上述のトレードオフを引き起こしてしまう。ただ究極的には、政府/中央銀行としてはハイパーインフレになることは絶対に避けたいことから、インフレを抑えることを取り、Output(リアルGDP、総産出量)の減少を受け入れる形となるだろう。

 

 

 

C. The Taylor ruleテイラールール)

テイラールールとは、中央銀行が誘導する政策金利の適正値をマクロ経済の指標により定める関係式。この式に基づく政策金利は、現在のインフレ率が目標インフレ率を上回るほど、また、リアルGDP成長率がポテンシャルGDP成長率(その差を需給ギャップと呼ぶ)を上回るほど引き上げられ、反対にそれぞれの値が下回るほど引き下げられることになる。

f:id:Wilkinson:20170801092240p:plain

 

金利がゼロ金利状態(Zero lower bound)の時には、テイラールールによる中央銀行政策金利短期金利)の予測は難しい。なおTaylorは実績インフレ率をGDPデフレター、BernankeはCore CPIを使ってFF金利の適正水準を検討。

John Taylor

Ben Bernanke

 f:id:Wilkinson:20170801092325p:plain  f:id:Wilkinson:20170801092336p:plain
 

f:id:Wilkinson:20170801092355p:plain

 

f:id:Wilkinson:20170801092406p:plain

 

 

 

 

D. 金融政策に関するサマリー

f:id:Wilkinson:20170801094000p:plain

 

マクロ経済1(ビジネスサイクル)

 

マクロ経済1(ビジネスサイクル)  

1. Business Cycles

 

A. ビジネスサイクルとは

ビジネスサイクルとは、好景気(boom:需要が供給より多い)と不景気(recession:需要が供給より小さい)のサイクル(景気の良し悪しで変動するもの)で、GDP(Output)のトレンドにブレ(上振れ/下振れ、fluctuation)があることを示す。つまり、下図でリアルGDP(青線)がポテンシャルGDP(赤線)よりも上振れている/下振れているのは、ビジネスサイクルの変動(fluctuation)によって説明できる。

 

f:id:Wilkinson:20170801085230p:plain

 

ポテンシャルGDPとは過去のトレンドを考慮したCapitalや労働テクノロジーといった生産要素から計算される予測の総供給量を表すものThe Solow growth modelによる計算YS = Total factor productivity × Capital stock^1/3 × Human capital^2/3)で、これらの生産要素を投入しフル稼働した際に実現可能なGDPと考えられる(GDPの予測値/理論値)。

 

しかし企業が自社の設備や従業員をフル稼働させない場合には、実質の生産量は低下し、リアルGDP(実質GDP)はこの理論値であるポテンシャルGDPよりも低くなる(デフレギャップ:ポテンシャルGDPよりリアルGDPの方が低い)。

一方で、短期的に従業員に残業を強いたり、自社設備を限界以上に稼働させた場合には、実質の生産量が増加し、リアルGDP(実質GDP)はこの理論値であるポテンシャルGDPよりも高くなる(インフレギャップ:ポテンシャルGDPよりリアルGDPの方が高い)(長期的には自社設備や従業員を限界以上に稼働させることは不可能(生産設備のブレイクダウン、従業員の休養等)なので理論値の供給量に実質の供給量は収束するが、このように短期的には理論値を上回ることも可能)。

 

リアルGDPの方がポテンシャルGDPよりも高いとき、つまり需要が多いために企業が自社の設備/従業員をフル稼働以上に稼働させたとき、さらに新たな注文を受注したとしても企業はフル稼働以上にリソースを使用しておりさらに生産量を上げることが難しい状況であることから、企業は価格を上げることで需要を下げようとする(加えて従業員をフル稼働以上に働かせていることから残業代も必要となり、このコストも価格を押し上げることにつながる)。よってインフレが発生することになる。

 

このように企業が実際の需要に応じて供給量を変化させていると考えられることから、経済の実際の総需要をリアルGDP、実際の総供給をポテンシャルGDPと考え、リアルGDP(総需要)のほうがが大きい状態をインフレギャップ、ポテンシャルGDP(総供給)のほうが大きい状態をデフレギャップという。

 

このリアルGDPとポテンシャルGDPとの差をOutput Gap(GDPギャップまたは需給ギャップ)と言い、前述の通り、このOutput Gapはビジネスサイクルの変動(景気の変動)によって生じている。

 

なおビジネスサイクル(景気の変動サイクル)は5~7年程度といわれる。

 

このOutput Gap(リアルとポテンシャルの差異÷ポテンシャルGDP)を測定することで、現在のビジネスサイクルがどの状態にあるか(好景気か不景気か)を判断することができる。正の値なら好景気(景気過熱:需要>供給)、負の値なら不景気(景気停滞:供給>需要)。よって、Output Gapが高いときは失業率は下がるという関係となっている(Okun’s Law:Output Gapと失業率は負の相関関係)。

 

f:id:Wilkinson:20170801085506p:plain

 

またOutput Gapを測定することにより、マクロ経済全体の需要・供給の過不足関係を理解し、物価動向の先行きを予測することも可能と言われる(物価は景気に遅行して変動する傾向があることから、Output Gapは物価の先行きを推測する材料としての役割を担っている)。またこのような性質から、Output Gapはデフレ状況を判断するための指標の一つでもある。

 

ビジネスサイクル(景気がどのような状況にあるか)を判断するにあたって留意すべき事項としては、たとえOutput Gapがネガティブだとしても、リアルGDPおよびポテンシャルGDPともに成長している場合も考えられるということだ(Growth recessions:つまりリアルGDPの成長率がポテンシャルGDPの成長率よりも低い場合)。また逆に日本のように、Output Gapがポジティブだとしてもその理由がポテンシャルGDPの成長率が小さくなったことに起因する場合もある(リアルGDP成長率の絶対値も小さい)。

 

なおOutput Gapの水準は、ポテンシャルGDPの計算方法によって大きく異なるため、絶対水準ではなく、時系列変化を見ることが重要である。

 

またグローバル化の進展に伴い各国のビジネスサイクルはそれぞれ同じような動きをするようになっている(more correlated between countries)これは一つの国の経済が悪くなるとその国の輸入ニーズも減り結果として他国からその国への輸出も減り他国の経済も悪くなるという悪循環となるリーマンショックも世界的に景気悪化につながった

 

各国のOutput Gap

f:id:Wilkinson:20170801085555p:plain

 

なおビジネスサイクルは、好景気(ExpansionOutput Gapがポジティブ)のほうが不景気(ContractionOutput Gapがネガティブ)よりも長くなる傾向にある(G7で約2.7倍、アフリカで約1.2倍、ラテンアメリカで約1.8倍、アジアで5.6倍)。

 

またビジネスサイクルの変動の影響を最も受けやすいインダストリー/業種は建設業(Construction)でピーク時は年間+16%、悪いときは年間-13%と業種別GDPが大きく変動している。製造業(Manufacturing)も影響を受けやすくボラティリティが大きい(年+8%、-14%)。一方で、サービス業および公共セクターの業種別GDP成長率のボラティリティは小さい(公共セクターが最も小さい)。

 

 

 

 B. ビジネスサイクル(景気変動)の変動/ブレを抑えるメリット/デメリット

Pros

  • 一部の影響を受けやすい世代/人々を守る:景気後退(Recession)時には、全体的な国民の消費量は大きく減少しないかもしれないが(全体消費量はビジネスサイクルの変動にそこまで影響を受けない)、業種によって影響度合いが違ったように(建設業のほうがサービス業よりも景気変動の影響を受けやすい)、お金のない若年層(20代以下)やUnskilledな人々への影響は大きい(景気後退時における彼らの消費量の減少率は他の世代に比べて大きくなる傾向)。
  • 雇用の確保:人々はインフレよりも失業することについて懸念しており、景気後退時に失業率が増加した際(Output Gapと失業率には負の相関あり)、より幸福度合いが減少する。
  • 投資活動の促進:ビジネスサイクルの変動はGDPボラティリティのみならず、企業利益/企業のCFのボラティリティも発生させる。そのため、経済/GDPの変動が大きくなると企業の投資によって生み出されるCFのボラティリティも大きくなり、結果として企業の投資活動を妨げ、長期的な成長を阻害する恐れがある。

 

Cons

  • 最終的な経済成長には必要悪:経済成長が強い状態においては企業にとって生産効率を高めるために生産プロセスを変更したり、生産を一時中断し新たな設備を導入することに関するコストは高くなるが、不況時においては設備や従業員に余裕があるため生産性を高めるためのリストラクチャリングが実行しやすい。加えて不況時の企業競争は自社の体制を立て直すインセンティブが働きやすい。結果として、不況後の好況時においては、生産性の向上により、さらなる経済成長が可能となる。

 

なお過去データからは、相関関係はそこまで大きくないものの、GDP成長のボラティリティが低いときはGDP成長率が高まるという結果となっている。

 

 

 

C. ビジネスサイクル(景気変動)のドライバー

ビジネスサイクルはDemand shocksとSupply shocksの2つで動くが、主にdemand shocksで動く(マネーサプライの変動によるnominal demand shocksと金融政策(monetary policy)以外の要因(消費や投資の変動)によるreal demand shocks)。

 

・Aggregate demand総需要

YD = Consumption + Investment + Government + (Export-Import)

総需要は消費投資政府支出Government consumption of goods and services純輸出輸出-輸入の4要素で構成されこれらのうちどれか一つでも変動するようであれば総需要が変化しDemand shocks総需要曲線の移動が起きる

なおリアルGDPを構成する4要素の中でConsumptionが最も大きく(5~6割)、ついで水準がよく変動する(ボラタイルな)Investment(2~3割)。

 

総需要曲線

f:id:Wilkinson:20170801085712p:plain

 

Demand shocksを引き起こす要因例

  • Consumptionの増加:人々の所得に対して消費にまわすお金が増える(例:人口に占める若年層が増加し、若年層のソーシャルに使う金額の大きさゆえに所得対比の消費量が増加する)。
  • Consumptionの増加:所得税の減税。
  • Investmentの増加:金利は変化していないにもかかわらず、人々がさらに投資をしたくなる(アニマルスピリット、例えば90年代のテックバブル)。
  • Governmentの増加:政府の支出/消費の増加。
  • Export - Importの増加海外における需要の拡大
  • 全4要素の変化:金融政策(Monetary policy)によるマネーサプライの増加(金利の押し下げ)。

 

 

・Aggregate supply総供給

YS = Total factor productivity × Capital stock^1/3 × Human capital^2/3

総供給は、資本及び人的リソース(労働力)、テクノロジーといった要素の掛け合わせで計算される。また総供給曲線は短期と長期とで曲線の形が変わってくる。

 

短期と長期の総供給曲線(サプライカーブ)

f:id:Wilkinson:20170801085830p:plain

 

実質GDP(ここでは実際の供給量/Output)がポテンシャルGDP(フル稼働時の供給量、最大値)よりも低いとき(上図でいうX軸の左の方のY(0))は、前述の通りOutput gapがネガティブであり(デフレギャップ、不況時)、設備や労働力には空きがある状況である(稼働していない設備や時間が余っている従業員)。そのため、そのような供給過剰な状態で需要が増加した時には、既存の使用していなかった設備や労働力を稼働させることで対応できるので、新たなコストはかからず(マージナルコストは上昇せず)、物価上昇なしでOutput(生産高、ないし実質GDP)を高めることができる。そのため、このような状態における短期的な総供給曲線はフラット(水平)になる。

 

ただ時間の経過とそれに合わせた需要の増加と共に稼働していなかった設備や労働力は減少していきさらなる設備投資による設備増強や人員増強が必要となっていき新しく一単位当たりの生産高を増やすためのコストマージナルコストが増加し始め供給量を増やすとともに物価も上昇していくこれにより総供給曲線はフラットから右上がりの曲線へと変化するMedium-run supply curve

 

そして長期的には1ビジネスサイクルの変動が完了する約10年以内のタイムスパン供給量は経済全体の設備と労働力をフル稼働させたあるTFPの水準でときの限界値に収束する設備と従業員を残業を強いたりフル稼働以上に稼働させることは短期的には可能だが長期的にその限界以上の水準を維持することはできないそのようなこれ以上供給量を増やすことができない状態においてさらなる需要の増加があった場合供給量は増やせないので需要を抑えるために価格を上げることとなるOutputは増加しないのに価格だけ上昇するこれが上図におけるLong-run supply curve長期の総供給曲線が垂直になる背景である

 

f:id:Wilkinson:20170801085926p:plain

 

f:id:Wilkinson:20170801090011j:plain

 

Supply shocksを引き起こす要因例

 

例えばオイルショック原油価格の上昇)が起きた場合、まず企業の生産コストが増加しこれが売価に転嫁され、物価が上昇する。そして需要が変わらない中で価格のみが上昇するために、取引量も減少することとなり、インフレと不景気(Stagnation)の複合状態であるスタグフレーションになってしまう(下図:供給曲線がネガティブにシフト(左シフト))。

 

f:id:Wilkinson:20170801090200p:plain

 

 

参考資料

https://www.komazawau.ac.jp/~kobamasa/reference/news/news02/GDPgap/Nomura_GDPgap_ESP2009summer.pdf

http://toyokeizai.net/articles/-/177350

http://dawkinian.doorblog.jp/archives/21907728.html

http://keiei-manabu.com/economics/totalsupplycurve.html

London Business School(LBS)を受験するにあたって

2017年も6月に入り、LBSでの1年目が終わりましたので、受験生の方からよくご質問される内容や入学前のイメージと実際に入ってからのギャップ、個人的にLBSで良かったなと思うところ等について記載したいと思います。この内容が皆様の受験の一助となれば幸いです。ただあくまでもこれは私個人の意見ですのでご留意頂ければ幸いです。

 

 A. 結局のところ、LBSは他の学校と何が違うのか?

志望校の選定やエッセイ/インタビュー対策をする上で、数ある学校からなぜその学校が自分にとってベストなのか、という点を検討する必要があろうかと思います。これにあたって、本音ベースではランキングに加え、各校の強み(ファイナンス、ジェネラルマネジメント、アントレ、マーケティング等)や授業/カリキュラムの忙しさ/スタイル、ロケーション(都会か田舎か、気候、旅行先等)、ご家族の意向、コスト(物価、為替等)が主な検討事項かと思います。

一方で、エッセイ作成にあたってはもっと踏み込んで自身のキャリアゴール達成のためにこの学校がベストだと主張できるように、各校の差別化要因を理解する必要があり、そのためにより各校の詳細や生きた情報が必要になるかと存じます。ここでは、こうした情報について私の私見をお伝えできればと思います。

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重
  2. ヨーロッパのトップ層が同級生
  3. MBA以外の生徒との交流
  4. 4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学
  5. ダイバーシティ
  6. ロンドンという立地

 

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重

入学してから改めて実感したことですが、LBSは非常に自由な環境だと思います。

 

  • カリキュラムのフレキシビリティの高さ

MBAは最短15か月(大多数は21か月)で卒業できるカリキュラムとなっているため、やろうと思えば、年間3学期ある中で、授業を他の学期に詰め込むことで、1学期(約3か月間)まるまる授業をいれないということも可能です(15か月卒業も可能なので、やろうと思えば2学期(6か月間)まるまるフリーにすることも可能)。これは一部の選択科目(約50個の選択科目)においてはたった一週間で単位をとることができるためです。来年から一部改訂されるようですが、現状、1年目は必修科目13個と0~5個の選択科目、2年目は選択科目のみとなっており、選択科目は二年間で合計10~12科目取る必要があります。

 

そのため、授業以外のことにも注力したい生徒にとっては最高の環境だと思います。ここまでフレキシブルなカリキュラムの学校はそんなにないのではないかと推察します。このフレキシビリティを活かして、先輩や同級生を見る限りでは、夏休み(6月前半から9月前半まで)以外のシーズンに長期インターンをロンドン/海外で実施したり、起業や同級生の起業家の下でバイトしたり、LBSのコンサルティングプロジェクトに参加したり、プログラミングを学んだり、LBSの教授と論文を書いたり、週30~40時間の準備が必要となる大変な授業(Value investing等)を取ったり、子育て/家族サービスをしたり、旅行に行きまくったりと様々です。

 

MBAに来ると、おそらく当初想定していなかったことにも興味を持ち、その分野を追求したくなる欲求に駆られることもあろうかと思います。その時に、このように学校のカリキュラムがフレキシブルだと、その都度アジャストできるので、留学してから興味をもったところでも集中的に深掘りでき、MBAプログラムとしては魅力的であると感じております。

 

また個人的には夏休み以外の時期にインターンできるのは、競争相手も少ないですし、より多くの企業/ビジネスを生で見ることができるという意味で、自身のキャリアを考えるにあたり、非常に有用だと思っています。特に私費の人にとってはインターンの数が増えることで、より稼げるのも魅力的かと思います。日本人の方でも去年も夏はロンドン、秋は日本でインターンした方もいらっしゃいます。今年も私の知る限り、日本人で二人は夏休み明けにアメリカでインターンする予定です。

 

f:id:Wilkinson:20170624042019p:plain

 

  • 必修科目における自主性

特にケーススタディ中心の学校では、よほど英語が得意か授業の既存知識(ファイナンスや会計等)がない限り、日々の授業の準備が非常に大変で、特に忙しい1年目は睡眠時間を削らないと授業についていくのが厳しいという話を耳にされた方もいるかと思います。

 

これは私の個人的な感覚ですが、LBSの1年目(必修科目)はたしかに忙しいときもあるのですが、授業以外のことに手が回らないほど忙しいかといわれるとそこまでではないかと思います。LBSの必修科目は下記の通り13科目あるのですが、その中でも特に重たいのはCorporate Finance(グループワークが数多いのと大変な課題もある)で、自身がファイナンスバックグラウンドであればより負担感は減る気がします。ただほとんどがグループ課題なので、スタディグループの他のメンバーの協力度合によってかなり人によってボラがあるのも事実です。実際、私のグループの一人はグループワークからはかなり逃げていたりしました(うちの他のメンバーは基本的に超真面目タイプだったので特に影響はなく、また真面目さ故に一学期が終わってから自主的に皆がそれぞれにポジティブ/ネガティブフィードバックまでしました、これはマッキンゼー出身のメンバーがおり、そこの文化だそうです)。

 

また必修授業におけるコールドコールも(担当教授にもよるのですが)、正直想定していた以上に少ないです(少なくともMBA2018は)。教授も強制するというよりも、学生が自主的に手を挙げる環境を作ろうとしている気がします。そのため、就活に注力しているが故に事前に読んでくるべきケースを読まずに授業をやり過ごしている同級生も一部いました。

 

実際、授業も学期にもよりますが、週3~4程度です。そのため、数多くの人が週末にLCCを使ってヨーロッパ旅行に出かけています(これのせいでグループワークが回らないこともたまにあり)。

 

また必修科目は違う曜日で開催されている他のクラス(ストリーム)にスワップすることも可能なため、何かイベントやどうしても外せない平日の用事があったとしても特に問題ないです。これは1年目で就活やクラブ活動、コンペティションコンサルティングやPEコンペ等)に力を注ぎたい人にとっては非常に良いシステムだと思います。

 

上述した内容は、授業が簡単/学びが少ないという話ではなく、どこまで深く学ぶか/追及するかは生徒の自主性を重んじているように思えます。どの授業も教授自らがレクチャーノート以外に参考となるサイドリーディングを数多くアップロードしておりますし、科目によっては補講も開催されていたり、いつでも教授やティーチングアシスタントと質問/コミュニケートできる環境は整っています。グループワーク中心なところも、結局さぼりたいと思えば他の人に押し付けることも可能ではあるというだけで、どこまで時間を割くかは自分次第で、義務感ややらされている感は少ないというイメージです。要はLBSは「大人な」学校なのだと思います。

 

f:id:Wilkinson:20170624042043p:plain

 

 

  1. ヨーロッパのトップ層が同級生

入学して驚いたことは、LBSには思った以上に戦略コンサルティングファーム出身の同級生が多かったことです。マッキンゼーやベイン、BCG等、ヨーロッパの各国で働いていたコンサルタントたちが各スタディグループに一人はいるイメージです。

 

これは上記の戦略コンサルティングファームでは、ヨーロッパやアメリカ、アジアの各オフィスで若手社員へのMBA留学をサポートしている(日本の社費と違い、留学期間中の給料は出なかったり、家賃補助がなかったりと様々)ため、このようにMBAに占める生徒数が多くなっているのだと思います。MBAサポートプログラムのないプロフェッショナルファームである投資銀行(いわゆるセルサイド)出身者は戦略コンサルに比べるとそこまで多くない印象です。

 

もちろん人にもよるのですが、特にヨーロッパの先進国ではない国籍でこうしたファームで働いている人間(ギリシャポルトガル等)は、その国での超エリートなのか(アメリカやイギリス、日本といった先進国より入社するのが大変だからか)、20代前半/中盤でもあるにもかかわらず(飛び級しているらしいが)、非常に知識があり、分析能力も高く、知的好奇心が旺盛で、正直すごいなと思わされることが数多くありました。

 

実際ウォートンで開かれた今年のMBA Buyout Case Competitionで優勝したのがLBSのチームで、そこにもヨーロッパのコンサル出身者が複数チームに在籍しています(下記の写真をご参照)。

 

f:id:Wilkinson:20170624042210p:plain

 

これはアメリカ人の同級生と話した上での推測ではあるのですが、将来的にアメリカで働きたいアメリカのトップ層はやはりハーバード、スタンフォード、ウォートンの3から自分のカラーにあったところに行っており、将来はアメリカ以外で働きたいトップ層はLBSに来ているということではないかと思います。

 

このようなその国(アメリカ以外のこれから伸びていくであろう国々)を将来背負って立つような人材と一緒にグループワーク/プロジェクトをできる機会を持てることができたため、LBSに来て非常に良かったと実感しています。

 

f:id:Wilkinson:20170624042224p:plain

 

 

  1. MBA以外の生徒との交流

LBSには下記の通り、MBA以外にもファイナンス専門のMiFやシニア向けのEMBAやSloan等があります。彼らの一部はパートタイムでの参加であるため、ロンドンで仕事をしながら授業に通っています。恥ずかしながらこれは入学してから初めて知ったのですが、選択科目においてはMBAの生徒だけではなく、これらのプログラムの生徒と一緒に授業を受けます。そのため、ロンドンで働いている実務家(パートタイムの方々)と一緒に授業で議論したり、グループワークすることができます。おそらくこれはアメリカのトップスクールの半分程度しかMBA生徒がいないために実現できるものだと思います。

 

MBAでの授業の価値は、やはり教授の経験や授業内容に加え、日々コミュニケートする同級生の知見を使って、アカデミックと実務の世界の両方を学ぶ(アカデミックな知識が実務にどう生かされているのか、実務をイメージして学べるか)ことだと思っているので、個人的にはこれはかなりポジティブでした。よくMBAは知識を学ぶ場所ではないと揶揄した意見もありますが、正直なところ、私はM&Aの業務をしておりましたが、こういった同級生や教授を通じて、仕事に役立つであろうファイナンスやストラテジーに関する知識も十分以上に学べている気がします。

 

また私はファイナンスバックグラウンドなためなのか、トレックで知り合ったMiFの学生と、各国のPEのファンディング状況だとかIR/コーポレートガバナンスの整備状況、マルチプル水準など興味のあった内容を聞くことができ、正直MBAより気が合う人が多いんじゃないかと思ったくらいです(比較的MiFのほうがMBAより年齢層は高め)。

 

f:id:Wilkinson:20170624042251p:plain

 

 

  1. 3~4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学

LBS以外の学校との交流ということになりますが、LBSでは交換留学(International Exchange Program)がとても盛んで、1学年の約3~4割の生徒が世界のトップスクールに留学しています。

 

ウォートンやMIT、シカゴやコロンビア、ケロッグ、ハースといったアメリカでのトップスクールとLBSの両方を体験できるのは個人的には非常にお得だと思いますし、LBSほど交換留学が盛んな学校(他校への留学生の枠をもっている学校)もないのではないかと推察いたします。

 

交換留学なのでもちろんLBSに来られる学生もおり、日本人でいうと去年もウォートンから一人LBSに留学されていました。

 

正直なところ、私はコロンビアとLBSのどっちを第一志望とするか迷ったのですが、LBSは交換留学を使えば、両方の学校を体験できお得なので、これもLBSを第一志望として要因の一つです。

 

f:id:Wilkinson:20170624042313p:plain

 

 

  1. ダイバーシティ

アメリカの学校に比べてLBSの生徒はいろんな国から来ているというのは有名な話かと思います。この国籍のダイバーシティにどう価値を見出すか/レバレッジするかは人それぞれかと思います。実際授業で取り上げられるトピックもアメリカ中心ではないです(アメリカの学校がどこまでアメリカの事例を扱っているかは不明ですが、LBS独自のケーススタディはほとんどがヨーロッパやインドのもの)。

 

 

特に日本人にとって国籍のダイバーシティがメリットだと感じる点の一つは、LBSにおける様々なクラブにおいて役員的なポジションに就任しやすい環境/土壌があることではないかと思います。真偽はわかりませんが、アメリカのトップスクールでは、日本人はどうしてもビジネス系のクラブではスタンドアウトしづらく、アジア系のクラブでしかエグゼクティブになれないといった話も聞いたことがあります。実際、私もアメリカの学校にビジットした際に、アメリカ人の生徒が6~7割以上であるためなのか、インターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたのも事実です。LBSではたくさんいる気がしますが、私の知る限り、去年はターンアラウンドクラブのトップは日本人で、今年もエネルギークラブや生徒会等のポジションに日本人がいたと思います。クラブ活動に興味がある方にとってはポジティブだと思います。

 

また将来的にアメリカ以外の国で働きたいという人にとってもお勧めだと思います。たとえば最近はアフリカへの関心が高まってきていると思いますが、こうした途上国で働きたい/途上国関連のビジネスをしたいという人にとってもその国出身の人たちが数多くいるので、実情を聞くこともできるでしょうし、ネットワーキングにもつながると思います。実際昨年のLBSにおけるアフリカクラブによるビジネスカンファレンスは大盛況だったようです(数あるカンファレンスの中で一番評価が高かった)。アメリカの学校と違い、卒業生のほとんどは各国に散らばっていくので、そういった人たちとのアルムナイネットワークの構築がしやすいこともメリットだともいます。

 

このように国籍の多様性によるビジネス面でのアップサイドは多岐にわたると思います。私としてはヨーロッパ各国における商慣習の違いや各政府が力を注いでいるインダストリーの違い等を同級生から聞けたことは良かったと感じております。

 

加えて遊びの面についてですが、国籍の多様性故にさまざまな国のクラブがあり(イタリアクラブ、ギリシャクラブ、ポルトガルクラブ等)、ロンドンという立地を活かして、様々な国への学生旅行(トレック)が企画されます。ちなみにジャパンクラブによるジャパントレックは最大規模で一番人気があるようです。こうしたローカルの学生によって企画された旅行に参加することは国籍の多様性ならではだと思いますし、クラスメイト以外とも友人を作れるのでよい機会だと思います。こうしたトレック以外にも、TATTOOという文化祭が毎年あり、各国の食事やダンスを楽しむことができます。

 

個人的には国籍のダイバーシティがあることがMBAにおいて絶対的に正しいかはわかりかねますが、シンプルにいろんな国の人がいたほうが学生生活は楽しいというのはあるかと思います。

 

f:id:Wilkinson:20170624042332p:plain

 

 

  1. ロンドンという立地

LBSの差別化要因の最後として、当然ながらロンドンという立地が挙げられると思います。

 

この環境をどう生かすかは人々のプレファレンス次第だと思います。例えば、学校以外のコミュニティともネットワーキングをしたいということであれば大都市のロンドンは魅力的でしょうし(学校から20分以内でシティ)、就職活動に注力したい場合も世界のトップ企業が集まっているので不自由はないと思います。実務家をゲストスピーカーとして招くことも容易なため、授業に実務的な視点も組み込めるのも魅力だと思います。また金融やコンサルはいわずもがなかと思いますが、FinTech(最近バズワード的になってきてはおりますが、、)にご興味のある方も、シティ(Global financial centre)とTech Cityがあるロンドンは環境としては素晴らしいと思います。

 

私は都会の学校を志望しておりましたが、その理由の一つとして、現地で働く日本人プロフェッショナルと学生の立場を活かしてお会いする機会をたくさん持ちたいなと思っており、ロンドンはそういった観点からも魅力的です。

 

 

 B. LBSにフィットする人とは?

上述のLBSの差別化要因のまとめのようになってしまいますが、LBSには学校の提供するコミュニティ/プラットフォームやロンドンという立地から、自分のやりたいことは何でもできる/サポートしてもらえる環境は整っていると思います。

一方で学校側のほうからこれをしろ、あれをしろ、下位10%は退学だといった厳しいカリキュラムではないことから、自分の時間をたくさん持つことができます。

 

そのため、個人的に思うLBSにフィットする人材とは、自主性を持っており、能動的にアクションを起こせ、また他者からの刺激を受けることで行動できるような人、なのだと思います。自分でやりたいことが明確な人、もしくはやりたいことを自ら探していきたい人にとっては素晴らしい環境だと感じます(まだ一年しか在籍しておりませんが、、、)。

 

そのため、強制された環境で強引にストレッチしてもらったほうが成長できる/そのような環境(軍隊的な)を望むような人、にとってはあまりフィットしないかもしれません。

 

また一方でMBAをある種のバケーションだと捉える人にとっても、時間はたくさんあり、旅行もしやすい環境であることから、魅力的な学校なのだと思います。

 

 

 C. スコアはいくら必要か?

2017の先輩が下記のようなわかりやすい図を作成されていたので転用させていただきましたが、受験におけるGMATスコアの重要性はアメリカの学校と比べて低いと個人的には感じております。これは全体的なGMATのスコアが低いということではなく、GMATが700オーバーの受験生が不合格であるにもかかわらず、GMAT600後半の受験生が合格しているということです。実際、LBS全体の合格者のGMAT平均スコアは伸びています(MBA2018の平均は707)。

 

米国の学校は非常に点数至上主義(GMAT)だと感じており、欧州系の学校はGMAT が600 後半であっても(700 に達していなくとも)合格している受験生が一定程度存在しております。LBS については大多数が700over ではあるものの、600 後半の人間も少人数でありますが毎年存在しています(LBS の日本人公式ブログに過去の合格者のスコアが記載されています)。LBS はたとえGMAT が700 後半であっても不合格となり、600 後半の人が合格しているというケースが私の周りで散見されたことから、US に比べGMAT をそこまで重要視していない(エッセイやインタビューのほうをUS よりも重視している)ように思われます。

 

これはUS News MBA Ranking という米国で最も古いかつ一般的な(最も参照されている)、米国の学校のみを対象としたMBA ランキングにおいて、GMAT スコアが学校のランキング/順位に多大な影響を与えているからだと言われております(米国以外の学校は当該ランキングの対象外)。また学校にもよりますが、大多数の学校はアドミッションではなく、アルムナイによるインタビューであることから、面接のプロではない日本人のアルムナイインタビューでのフィードバック結果をアドミッションオフィスがそこまで信用していないのではないか、という噂も聞きました(なお、一方でエッセイの量が数年前に比べ激減していることから、その分インタビューを重要視しているのではないかという噂もあり)。

 

f:id:Wilkinson:20170624042452p:plain

 

TOEFLについては他校同様、重要性は高いのだと思います。特にLBSは現状、インタビューにおいて即興のプレゼンテーションが求められますので、そういった受験プロセスからもアメリカの学校同等もしくはそれ以上に英語力については重要視していると感じます。

 

 

 D. LBSファイナンススクールなのか?

たしかにフィナンシャルシティであるロンドンに立地しており、選択科目の充実度やファイナンス専攻のMiFのプログラムもあることから、ファイナンスを学びたい学生にとっては魅力的な学校ではあると思います。またアメリカの学校に留学している友人とも話しましたが、必修科目であるCorporate Financeの授業で取り扱うケースのレベルもLBSのものは高いようです。この授業で取り扱った敵対的買収のケースは、一物二価の議論(初回TOB時とホワイトナイト参入後における提示価格の違いのロジック等)や州法や米国のTOB規制、対象会社がとるべき買収防衛策のプロコン、対象会社及びシナジーのNPV計算における割引率の考え方等について言及する必要があり、正直難易度は高かったと思います。

 

ただ一方でLBSのMBA生の中でファイナンス志望の人間は実は多くなく、やはり戦略コンサルタントやテック志望が多いイメージです。授業以外にもコンサルティングハッカソンプロジェクトなど、LBSコミュニティを活用した学びの機会があり、ファイナンス以外を中心に学びたい受験生のほうが多いと思います。

 

私もエッセイ上は、ファイナンスではなく、ジェネラルマネジメントを学びたいという形にしました。

 

f:id:Wilkinson:20170624042537p:plain

 

 E. 私がLBSを選んだ理由

最後に私個人の志望理由について、これまでと一部重複もあるかと思いますが、簡単に記載させて頂きます。

 

もともとMBA コミュニティ以外でのネットワーキングや実在する企業とのプログラムを通じたコワーク、生活/食事の充実等といった観点から大都市、とりわけファイナンスバックグラウンドにフィットするNY かLondon(Wall Street やFinancial Centre で働くファイナンス実務家が授業で教えてくれる環境)がいいなと漠然と考えておりました。大都市の学校に行く場合のデメリットとしては、物価/家賃が高いことや学校以外でのコミュニティが豊富すぎるがゆえに生徒同士での結びつきが弱まること等があると思いますが、独身かつ社費なので金銭面での不安はそこまでなく、学校外でのネットワーキングも重要視していたので、都会の学校のデメリットは私には特段問題となりませんでした。そのため当初はColumbia かLBS が私の第一志望でした。

 

最終的にColumbia ではなくLBS を選択した理由としては、主に以下が挙げられます。

・LBS は交換留学が盛んで半分近くの生徒がUS やヨーロッパの学校に留学できる環境が整っていたこと(ロンドンとアメリカの両方の学校に行けるのがベスト、US の学校も交換留学はあるが実施する人は少数派)

・LBS はマジョリティの国籍が存在せず、アメリカだけではなく世界各国の人とコミュニケートし各国のビジネス慣習/文化を学ぶことができること(特にヨーロッパの国ごとの文化の違いに興味あり、アメリカ以外との案件が多い弊社ではより有用だと感じた)

・LBS は毎年日本人合格者が10 人以上出ており、卒業後の日本におけるネットワークが強いこと(加えてUS の卒業生は大半がUS 勤務だが、LBS の卒業生は世界に散らばっていくので、グローバルなアルムナイネットワーキングの観点からもポジティブ)

・LBS は15 ヶ月で卒業も可能なカリキュラムであり、学校以外のことにも精力的に取り組めるプログラム構成であること

・Columbia へビジットした際にインターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたこと(US の学校では一般的かもしれないが)

・Columbia のロケーションがマンハッタンのメインから少し離れていたこと

・アメリカの大統領選挙で、Donald Trump の人気度合いからアメリカ人の外国人に対する本音が垣間見えたこと(外国人への排他的感情)

・週末にヨーロッパ各国に旅行できること(LCC が発展している)

 

ただアメリカ人がマジョリティを占める中でどう戦っていくかを学ぶことは非常に重要で、特に卒業後のキャリアとしてUS で働くことを想定している場合には、US の学校に行くことも望ましいと思います。

 

 

 

最後に

MBA2017の先輩が昨年のLBS日本人在校生/卒業生による説明会において使用したプレゼンテーション資料をアップロードさせていただきましたので、ぜひご覧ください。

http://d.kuku.lu/46fbef3a91

 

また今年も日本人在校生・卒業生による説明会を7/29(土)に開催させていただきますので、是非ご参加ください。在校生やアルムナイの方が数多く参加されますので、より生の声を聴くことができると思います。

下記リンクのEventbriteサイトよりご登録下さい。

https://lbsintokyo2017.eventbrite.co.uk

MBA受験7(エッセイ/インタビュー)

 

1. 最初の進め方

レジュメやエッセイ等の準備を進めていくに当たり、まず自身と似たバックグラウンドの先輩(部署、学歴、海外経験等)を複数探しだし、当該先輩方がどのようなレジュメ、キャリアゴール、アチーブメント等をアプリケーション上で記載したかを教えてもらう/確認することが効率的な進め方であると感じます。特にレジュメに書くべき事項は非常に似通った内容になることが多く、先輩方のものを模倣する形でまずはドラフトを作り、すぐにカウンセラーと相談することが望ましいと思います。

 

似たバックグラウンドの先輩方がどのようなことを書いているかを確認したのち、次に検討すべきは如何にして差別化を図っていくかという点であると思います。非常に難しい部分であるかとは思いますが、自身の人生経験、案件/業務経験から自分ならではのエッセンスをどれだけ出せるかがオリジナリティの鍵だと存じます。

 

この差別化を検討するに当たり、自身の過去の経験(Personal とProfessional)を棚卸し、ブレストしていくことが効率的だと思います。過去の経験の棚卸し等については、各カウンセラーやAgos、濱口塾等にそういった点を検討するための専用のフォームがあるので、それを使って考えていくことが望ましいと思います。この最初のブレストのタイミングにおいては、日本人カウンセラーとディスカッションすると自分の伝えたいニュアンス等も互いに共有できるので、より効果的かもしれません(私はAgos の岡田さんと実施)。

 

 

2. キャリアゴール設定の重要性

現在、MIT を除き、ほぼすべてのトップスクールでキャリアゴールについてアプリケーションにて言及する必要があります。一般的に日本では社費生のほうが私費生よりも合格率が高い印象がありますが、これはスコアもさることながら、一般的に私費生のキャリアゴールは実現可能性が低くなりがちである点も1 つの理由だと感じております。結局のところ、Why MBA、Why the School の回答として、MBA に行かないと達成できないこと、MBA に行くと目標達成が非常に早くなる、といった合理的な理由を用意しておくことが必要不可欠であり、当該答えがキャリアゴールとなります。

 

以上の通り、アプリケーションにおいてはキャリアゴールを如何に設定するかが肝であり、当該ゴールにどこまでMBA の必要性とオリジナリティ、フィージビリティを持たせられるかが鍵であると思います。そのためレジュメ作成が完了した段階で、テスト対策と並行して、キャリアゴールについての検討/協議をカウンセラーと始めていくことをお勧めします。社費での受験であれば、もちろん自社に戻ってくる前提でのキャリアゴールを検討する必要があります。

 

 

3. ネタ出し

各学校のエッセイトピックは異なるものの、1 つの学校のエッセイを部分的に使いまわすことは可能であると思います。しかし完全には使いまわせませんし、推薦状に記載すべきエピソードも必要、そして何よりインタビューにおいてはエッセイと違うネタを話す必要も生じますので、エッセイ作成の段階から、聞かれていることだけではなく、可能な限りネタ出しをしておくことが望ましいと思います。具体的には、チームワークやリーダーシップ(自身のリーダーシップとは何かという定義付けが必要となる)、アチーブメント、問題を解決したエピソード等です。

 

これらのネタ出しを実施するに当たっては、まず自身の強み/弱みが何かを英語で明確にし(海外のHP によく強み/弱みの英単語が載っているのでそれを参照)、それらを具体的に説明できるエピソードを思い出していく形が効率的かと思います。なるべく多くのネタ出しをやっておくと、カウンセラーから違うエピソードを求められたときにスムーズにディスカッションできますし、自分が弱いと思っていたエピソードの見せ方についてアドバイスしてもらえることもあるので、非常に有用だと思います。

 

たとえば投資銀行バックグラウンドであれば、過去にたくさんのファイナンスM&A 案件を実施してきたでしょうから、まずは自身が今までやってきた案件名をすべてリストアップし、各案件において自身が活躍した/タフだったときのことを思い出すことから始めるとよいと思います。特にクロスボーダーだとより望ましいかと存じます(無理してクロスボーダー案件にこだわる必要はないが)。このあたりの検討に当たっては社内における360 度評価でのコメントが有用だったりすると思います。またProfessional なエピソードだけだと偏ってしまうので、自身のPersonal な経験/エピソードについても合わせて考えることが必要だと思います(社会人生活は仕事のみになりがちなので、このPersonal な部分を仕事以外でどうアピールするかは非常に苦労しました)。自身ではくだらないと思っていることでも、カウンセラーと話すとアピーリングなエピソードになったりしますので、このあたりはぜひカウンセラーとご相談ください。

 

 

4. 各学校での使い分け

ファイナンスに強い学校へのアプリケーションにおいてはファイナンスを勉強したい旨を記載し、ジェネラルマネジメントに強い学校においてはファイナンスにあまり触れないといった使い分けをされているアプリカントもいると認識しております。ただこの場合、キャリアゴールとの結びつきが弱まり、ロジカルさに欠ける恐れもありますし、なによりColumbia だからといってファイナンスを学びたいと言っている人しか合格していないわけもありません。どのMBA も必要なものはアントレからファイナンスまですべて用意していると謳っておりますので、自身のキャリアゴールを捻じ曲げてでも各学校の強みにエッセイをアジャストさせる必要はないと思います。実際私も、ファイナンスに強い学校においてはファイナンスを学びたい旨をアピールしたほうがいいとアルムナイの方からもアドバイスを頂戴しておりましたが、そうするとWhy MBA のロジックが崩れるのでジェネラルマネジメントを学びたいという自身のエッセイを貫き通しました。

 

 

5. インタビュー対策

インタビュー対策ですが、TOEFL が105 前後取れていて、日々海外案件にも取り組まれている方であれば、そこまで心配することはないと思います。HBS のインタビューはかなりタフだと聞きますが、それ以外の学校であれば想定質問/回答、インタビューアーへの質問を数多く作成し、モックインタビューをいろんなカウンセラーと実施することで、十分に対応できると思います。イメージとしては1 ヶ月間程度、インタビュー対策に取り組むことができれば十分だと感じます(ネタ出しはすでにエッセイ作成時に実施している前提)。ただインタビューアーが帰国子女の方の場合は、一般的な型にはまった質問は少なく、想定していなかった質問もされがちになる点には留意が必要です。私は運悪くどの学校もインタビューアーが帰国子女の方々で、一般的な質問はあまりなく、かなり焦りましたが、想定問答集の回答を使いまわすことで対応することができました。


過去のインタビューにおける質問内容はカウンセラーからもらうと一番早いと思います。現時点ではEd がおそらくどのカウンセラーよりも情報を持っていると思いますので、インタビュー対策に当たってはEd にコンタクトすることをおすすめします。私もEd から過去3 年にわたるインタビュー時の質問を大量にもらいました。

 

また志望校のインタビューにおいて、面接官がアルムナイなのかアドミッションなのか、グループディスカッションやプレゼンテーションが必要なのか、オンサイトで実施する必要があるか、特殊なインタビューを実施する学校かどうか等を確認することも非常に重要だと思います。現在、多くの学校がアルムナイとのインタビュー方式を採用していますが、HBS は毎年アドミッションとのインタビューです。またColumbia はインタビューアーをアプリカントが選ぶことができ、質問がタフで有名なアルムナイもいるそうなので、そういった方を選ばないようにするのも重要だと思います(このあたりはEd が詳しい)。またTuck/NYU はオンサイトでのインタビューが推奨されると聞きます。Wharton はグループディスカッションがあり、LBS は即興プレゼンテーション、Darden は20~30 分ひたすら自身のことを話し続ける等、特殊なものを学校によっては求めてくることもありますので、情報収集は大事です。

 

 

MBA受験

1. 重要事項サマリー

2. スケジュール

3. 受験校選定

4. その他Tips(ビジットのタイミング、推薦人、GPA、参考となるWebサイト、フルブライト奨学金、自習室、業務との両立)

5. テスト対策TOEFL/IELTS/GMAT/GRE

6. カウンセラー

7. エッセイ/インタビュー